未来の市場をつくる100社【2023年版】 第6回

メタバースがバズワード化し、VR(仮想現実)が脚光を浴びている陰で、2023年はリアルな世界にバーチャルを重ね合わせるAR(拡張現実)市場が大きく動きそうだ。そのけん引役となる可能性を秘めるのが、プレティア・テクノロジーズ(東京・品川)。コロナ禍の外出制限でイベントが軒並み中止になり、一時倒産危機にもあったが、果敢に新機軸のサービスを出し、驚異のV字回復を遂げている。

スマホ普及時に一時話題を集めたAR(拡張現実)。2023年以降に大きく飛躍すると期待される。そんなAR業界において注目のスタートアップがある。その企業とは……
スマホ普及時に一時話題を集めたAR(拡張現実)。2023年以降に大きく飛躍すると期待される
社名:プレティア・テクノロジーズ(東京・品川)
設立:2014年7月
製品/サービス:AR謎解きゲーム、ARクラウドプラットフォームなど
市場:ARクラウドプラットフォームの提供により、エンタメだけでなく多様な業界にAR技術を展開させていくけん引役に
カテゴリー『コマース』『マーケティングDX』『エンタメ・アート』

 スマホが普及し始めた2000年代後半からトレンドとなったAR。09年にはARを活用したナビゲーションアプリ「セカイカメラ」が登場して話題になり、16年の「Pokemon GO」の大ヒットでさらに多くの人に目にとまるようになった。

 ここ数年はVRを軸としたメタバースに話題をさらわれてきたが、今再び注目を集めている。スタンプラリーや広告、謎解きゲーム、メークや家具などのお試し体験、繁華街のナビゲーションなど、ARの利用シーンは着実に広がり、多様なサービスが生まれている。

 中でもトップランナーといえるのが、14年に起業したプレティア・テクノロジーズ。ARコンテンツの開発だけでなく、ARクラウドプラットフォームの開発・提供まで一貫して行い、23年以降のAR本格普及期をリードしていく可能性が高い。

AR×謎解きで街をエンタメ空間へ

 ARといえば、スマホを現実空間にかざすと、キャラクターが現れたり、店舗の情報や広告などを表示したりといったものをイメージする人が多いだろう。

 そんな中、プレティア・テクノロジーズは新しい体験を生み出すべく、18年8月に新サービスを世に出した。東京・渋谷を舞台に開催したAR謎解きゲーム「サラと謎のハッカークラブ」だ。

18年8月から期間限定で開催されたAR謎解きゲーム「サラと謎のハッカークラブ」。クラウドファンディングでは、目標を大きく上回る支援を集めた
18年8月から期間限定で開催されたAR謎解きゲーム「サラと謎のハッカークラブ」。クラウドファンディングでは、目標を大きく上回る支援を集めた
「サラと謎のハッカークラブ」開催時の様子
「サラと謎のハッカークラブ」開催時の様子
「サラと謎のハッカークラブ」は、1人でも参加できるが仲間と共にストーリーを進めていく楽しみも
「サラと謎のハッカークラブ」は、1人でも参加できるが仲間と共にストーリーを進めていく楽しみも

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