2022年12月2日発売の「日経トレンディ2023年1月号」 ▼Amazonで購入する では、「2023-2030大予測」を特集。多数の人型ロボットが働く世界が、急ピッチで実現しようとしている。注目されるのが、人の代わりに様々な作業をこなす「人型協働ロボット」としての役割。力仕事ができる人型ロボットの開発も進んでおり、危険な現場の作業を“ロボ任せ”にするケースが増えるだろう。
※日経トレンディ2023年1月号より。詳しくは本誌参照
多数の人型ロボットが働き、人は肉体労働をしなくてよくなる――。SFでは何度も描かれていた世界が、急ピッチで実現しようとしている。
「日経トレンディ2023年1月号」の購入はこちら(Amazon)

最近、人型ロボットの開発で大きな話題を呼んだのは、米国テスラのイーロン・マスクCEOだ。2021年8月に人型ロボット「Tesla Bot」の開発を宣言し、22年9月には試作機「Optimus」を同社のイベントで披露。2足歩行しつつ手を振るなどのデモを行った。マスク氏は、Optimusによる荷物の配達は3~5年程度で可能になり、やがて量産化により一般消費者にも2万ドル(約280万円)未満で販売できるとの見通しを示している。
■Tesla Bot/Optimus(テスラ)
日本で人型ロボットと言うと、ホンダが開発していた「ASIMO」やソフトバンクロボティクスが販売していた「Pepper」が有名。ただ、これらは接客やパフォーマンスに従事する「コミュニケーションロボット」で、作業や力仕事はできない。
■Pepper(ソフトバンクロボティクス)
オフィス・工場など「人型協働ロボット」
工場やオフィスで人の作業を手助け
次なる“進化”として注目されているのが、人の代わりに様々な作業をこなす「人型協働ロボット」としての役割だ。現時点でも、カワダロボティクスの「NEXTAGE」シリーズなどが様々な業種の工場で使われている。18年に刷新した「NEXTAGE(NXA)」は、2.5~3キログラムの物を持ち上げられる腕を2本備え、頭部と腕部に装着されたカメラで対象物を確認しながら、組み立てや箱詰めなどの作業ができる。
■NEXTAGE(カワダロボティクス)
工場用のロボットと言えば、シンプルなアーム型が思い浮かぶが、なぜ人型なのか。その理由をカワダロボティクス事業企画室の藤井洋之室長は、「人型の方が汎用性が高く、場面に応じて様々な用途に使える」と説明する。例えば、「特別パッケージの製品を1万個だけ作りたい」という場合、そのために新たな製造機械を造ると割に合わないことがある。それが人型ロボットなら、新たな作業を覚えさせるだけで済む。NEXTAGEシリーズは、ロボット技術者でなくても数日の研修を受ければ、最低限の操作をロボットに“教えられる”ようになるという。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー