※日経エンタテインメント! 2022年11月号の記事を再構成
現在放送中のドラマ『君の花になる』に登場するボーイズグループ「8LOOM(ブルーム)」は、活動のフィールドが異なる7人が期間限定で結成したユニットだ。そのメンバーに話を聞く特集の第3回に登場するのは綱啓永(つな・けいと)と山下幸輝(やました・こうき)。最年長で男気のある努力家・古町有起哉(ふるまちゆきや)にふんする綱は、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(19年)や『顔だけ先生』(21年)など、俳優としてキャリアを積んでいる。キレのあるダンスが武器の陽気な弟キャラ・小野寺宝(おのでらたから)を演じる山下は、高校生の頃から複数のダンス大会で優勝経験があり、TikTokのフォロワー数は47万人を超える(9月半ば現在)。ダンス未経験の綱と連ドラレギュラー初出演の山下ならではのフレッシュなトークとなった。
綱 あす花(本田翼)と弾(高橋文哉)の恋愛もありつつ、8LOOMがアーティストとして成長していく様を見守ってもらう要素もあるので、オーディション番組にも通じる、成長過程を見守るような楽しみ方ができるドラマだと思います。
山下 登場人物同士の関係性が、物語が進むにつれて浮き彫りになっていくのが、現場で近くで見てても面白いですね。僕はまだ台本からお芝居を想像するのがあまりうまくなくて、監督にいろいろと相談しながらやらせてもらっています。ただ、ワークショップにたくさん参加したことによって、セリフを覚えるのは速くなりました。
綱 それはでかいね。脚本家の吉田恵里香さんが、7人の実際のキャラクターを盛り込んで役を作ってくれたんです。僕はここ数年、「この役が綱君で良かった」って思ってもらうために、役を自分に近付けて、なるべく自分の色を出すっていうことをやってきたんですが、今回は当て書きに近いこともあって、すぐに有起哉に近付けました。ただ、有起哉の通常時は僕がめちゃくちゃ高いテンションの時と同じなので、かなり体力は使いますね(笑)。ギアを3つぐらい上げないと。
ダンスでもがむしゃら感
――8LOOMのメンバーのなかでもダンス経験が豊富な山下は、ダンス初挑戦の綱をどう見ているのだろうか。
山下 綱君はダンスの上達がめちゃくちゃ速いんです。アーティストとしてのセンスがすごくいいんだと思います。
綱 8LOOMのメンバーはみんな優しいから、よくそう言ってくれるんですよね。BTSさんが好きで、動画をたくさん見ていたから、リズム感が養われたのかもしれない。幸輝はグループのなかでダンスの最高峰。個人的には1番踊り方が好きです。
山下 へへ(照れ笑いを浮かべる)。
綱 ダンス初心者の僕がこんなこと言うとしゃしゃり出てるって思われるかもしれないですけど、倫ちゃん(八村)は力強さを感じる踊りだし、NOAは抜け感がある。幸輝のダンスはオシャレなんです。僕、BTSさんのなかでも特にテテ(V)のダンスが好きなんですが、幸輝のダンスは見せ方がうまいところがテテっぽいなって。あと、撮影とかでもどういう表情をすればファンの方が喜んでくれるかを本質的に理解してる感じがするので、すごいなって思います。
山下 (照れながら)TikTokの動画で口パクをしながら踊るのをよくやっているので、それが生きてるのかもしれないですね。
――1stシングル『Come Again』のダンスへのこだわりは?
山下 デビュー曲ならではのがむしゃら感があるので、ダンスもそこを意識しました。
綱 僕はダンス初心者なので、リアルにがむしゃらに踊ってるんですけど(笑)、それが8LOOMの状況ともリンクしてるなと思います。2サビの頭の激しく腕を振り下ろすところが、みんなバシッとそろうのでめっちゃ気持ちいいんです。みんなの力強さをまねして頑張ってるんですけど、僕体力がなくて(笑)。力入れすぎると後半で本当にバテちゃうんですよ。
山下 あははは。
綱 だから、ダンスって全部全力でやればいいわけじゃないんだなって。ライブをやる予定もあるから、魅せどころとか、抜きどころを覚えないといけないなと思ってます。
山下 日本だけでなく海外でもライブがやりたいですね。
綱 それが実現したら熱いよね。あと、みんなが知っているような音楽番組にも出てみたいな。
つな・けいと(右) 1998年12月24日生まれ、千葉県出身。17年に「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリ。18年に連ドラ『文学処女』で俳優デビュー。19年には『騎士竜戦隊リュウソウジャー』にリュウソウブルー役で出演
(写真:橋本勝美)