「この商品すごくいいよ!」。ファンの推奨行動はどのように生まれるのか。そして、誰からの推奨であれば「信用」されるのか。ファンベースカンパニー(東京・渋谷)の研究機関「ファン総合研究所」の調査データから、ファンの心理や行動をひもとく連載の第4回では、ファンの「推奨行動」について掘り下げる。

(写真/Shutterstock)
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 企業やブランドの価値を支持してくれるファンを大切にし、そのファンと価値観を同じくする「類友」を巻き込んでいくことで、中長期的に売り上げや事業価値を高めていく「ファンベース」。その好サイクルを回す根幹ともいえるのが、ファンによる推奨行動だ。

 しかし、推奨する・される際のお互いの心理や、どんな商品やサービスが推奨されやすいのかといった、推奨行動にまつわる心理はこれまで明らかにされてこなかった。そこにメスを入れたのが、今回のファン総研による調査だ。

 調査は2回に分けて行われ、第1弾の「推奨行動に関する調査」は2022年8月に実施。住宅や自動車などの耐久消費財からソフトドリンク、菓子まで、22カテゴリーを対象にしたインターネット調査で、有効回答数2万5482件を集めている。また、第2弾は第1弾調査の結果を受けて22年9月に実施した。今回は、第1弾調査の結果について詳報していく。

誰の「お薦め」が響くのか?

 まずは、最も気になるであろう「『おすすめを信頼できる』と思える相手」についてだ。TwitterやInstagramなど、各種SNSが普及している現在、芸能人やインフルエンサー、識者などと個人の距離は以前よりも近くなっている。また、企業からの発信も盛んに行われているが、それらは生活者に響いているのか。

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