ファンベースカンパニー(東京・渋谷)の研究機関「ファン総合研究所」の調査データから、ファンの心理や行動をひもとく新連載の第2回。今回は22業界(188ブランド)における「ファン度」を明らかにした第1弾調査後、一般消費財を中心とした7業界に絞って行った追加調査の結果と、ファンの生の声を紹介する。メディア初公開の「愛されるブランド」業界別1位は?

北海道地盤のセイコーマートはなぜ強い?(写真/Shutterstock)
北海道地盤のセイコーマートはなぜ強い?(写真/Shutterstock)

 連載第1回で紹介した通り、ファン総合研究所の第1弾調査リポート「『ファン度』に関する業界調査」は、ビール、菓子、日用品といった一般消費財メーカーや、スポーツアパレル・アウトドア、金融、飲食・小売りなど、22業界188ブランドを対象に「コアファンの割合+ファンの割合(%)=ファン度」を算出したものだ。

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 初回調査で明らかになったのは、「(1)ビール、菓子業界はプロ野球チームと同程度に熱量の高いファンが多い」「(2)業界やブランドごとに『ファン度』に差がある」「(3)企業の規模とファン度には相関関係はない」という3つのポイントだった。

 しかし、一口にファン度が高いといっても、商品・サービスの機能や価格が評価されているのか、情緒的な価値が共感されているのか、業界ごと、さらには企業・ブランドごとに異なるはずだ。そこで今回は、ファンベースカンパニーが7業界47ブランドに絞り込んで2022年4~5月に行った追加調査を基に、「コアファン+ファンの割合」が1位になった企業を紹介しながら、ファンが各ブランドに感じる価値をひもといていきたい。

 追加調査の対象は、家電、化粧品、ビール、清涼飲料、菓子、ファストフード、コンビニの7業界47ブランド。ファン度ごとの利用頻度と利用金額、NPS(ネット・プロモーター・スコア)、満足度、ブランドに対する価値や意向についてアンケートを取った。なお、利用頻度と金額は「他のブランドに比べてよく買っているかどうか」を6段階で聞いたものだ。

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 まず、追加調査で明らかになったのは、ファン度が高まるほど、その企業やブランドの利用頻度、利用金額、NPS、満足度のいずれも高いということだ。下の図を見ても分かる通り、コアファン>ファン>ライトファン>未ファンときれいに序列ができている。特に他者への推奨意向を示すNPSは、化粧品以外の6業界でコアファン、ファンはプラスになっており、7業界の平均ではコアファンとライトファンとの間でNPSは78ポイントもの差があった。

 この結果を受け、ファン総合研究所の佐藤佳奈所長は「ファンを公言している人は気持ちの面だけではなく『行動』に移していることがはっきりとした。今いるファンを見て、自分たちのブランドのどこを伸ばせばコアファンになってもらえそうかを考えることが重要」と話す。

 もともと、企業やブランドの価値を支持してくれるファンを大切にし、コアファンへのステップを上がってもらったり、「類友」を巻き込んだりしていくことで、中長期的に売り上げや事業価値を高めていくのが「ファンベース」の考え方だ。その効用が今回の追加調査によりデータで裏付けられた形といえる。

追加調査の結果。コアファンやファンほど利用金額、利用頻度などが高いスコアになった
追加調査の結果。コアファンやファンほど利用金額、利用頻度などが高いスコアになった

 それでは追加調査した7業界の詳細を見ていこう。

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