ファンベースカンパニー(東京・渋谷)の研究機関「ファン総合研究所」の調査データから、ファンの心理や行動をひもとく新連載の第1回。今回は22業界(188ブランド)における「ファン度」を調査した結果を解説する。プロ野球チームと同等に熱烈なファンを引き付けている意外な業界とは?

(写真/Shutterstock)
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 ファン総合研究所(以下、ファン総研)は、ファンベースカンパニー会長でファンベースディレクターの佐藤尚之氏(以下、さとなお氏)が顧問となり、同社の佐藤佳奈氏(以下、佐藤佳奈所長)が所長を務める研究機関だ。「ファンの心理」「ファンの行動」「ファンとのコミュニケーション」という3つの軸で調査・研究を行う。

 その第1弾の調査リポートが、「『ファン度』に関する業界調査」(2022年2月に実施)。ビール、菓子、日用品といった一般消費財メーカーや、スポーツアパレル・アウトドア、金融、飲食・小売りなど、22業界188ブランドを対象にしたインターネット調査で、全業種で延べ約74万3500件の有効回答を集めた。

 ファン度とは、企業やブランドに対する生活者の「現在の好意」と「ファンステージ」を聞く2つの設問から「コアファン」「ファン」「ライトファン」「未ファン」の4段階に分類(下図)し、(コアファン+ファン)÷回答数で割合(%)を算出したもの。本調査では、業界ごとに最小値、平均値、最大値をまとめている。

「ファン度」の分類
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「『ファン度』に関する業界調査」対象の企業・ブランド
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 また、初回調査を受けてファンベースカンパニーでは、さらに一般消費財を中心とした7業界47ブランドに対し、4段階のファン度ごとの利用頻度と利用金額、NPS(ネット・プロモーター・スコア)、満足度、ブランドに対する価値や意向について追加調査(22年4~5月)も行っている。

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