生成AI(人工知能)のインパクトから、DX推進の注目株、さらには「記憶」に着目した斬新ベンチャーまで話題に。注目のスタートアップやビジネスの新潮流をVC(ベンチャーキャピタル)が解説する本連載。第7回は、日本での投資に加え、米国を中心に幅広い産業領域や事業ステージが異なるファンド投資を行う、WiL(ウィル、東京・港)の久保田雅也氏に聞いた。
WiL パートナー
テキスト生成AI「ChatGPT」登場でAIトレンドに変化
――2023年のスタートアップのトレンドとして注目しているものは。
久保田雅也氏(以下、久保田) まず触れておきたいのが、世間の話題をさらっている対話型AI(人工知能)チャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」に関連する新潮流です。米マイクロソフトが出資する新興企業の米OpenAIが開発したテキストを生成するAIのプラットフォームで、質問などを入力すると、まるで人間のように詳細な回答を返してくれます。質問に答えるだけでなく、例えば「メタバースの説明を500字以内で書いて」などと入力すると、AIが瞬時に説明文を生成してくれます。
こうしたAIを使った自然言語処理の技術革新は、今最もホットな話題のひとつであり、驚異的なスピードで進化しているのが現状です。チャットGPTはOpenAIによるテキスト生成AI「Generative Pre-trained Transformer(GPT)」のバージョン3(GPT-3)を基に発展させた新モデル「GPT3.5」がベースになっていますが、マイクロソフトが検索エンジン「Bing」にGPTを組み込んだり、さらに進化させたGPT-4の登場も予定されたりするなど、まさに日進月歩の様相となっています。
――チャットGPTはライターの仕事を奪うともいわれています。まだ文章や事実関係を間違うなど問題はありますが、これも進化する中で精度が高まっています。
久保田 ただ、影響が及ぶのはライターの仕事だけではありません。ポイントは、企業のホワイトカラーの仕事を代替する可能性があるということです。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー