シードステージに特化したVC(ベンチャーキャピタル)が注目する企業やジャンルは何か。スタートアップの注目トレンドを解説する本連載の第6回は、独立系VCとして国内最大規模の実績を持つインキュベイトファンド(東京・港)の本間真彦代表に話を聞いた。注目キーワードとして挙がったのは、ゲーミファイやフィンテック、AI(人工知能)、ロボット、AR(拡張現実)などだ。

本間 真彦 氏
インキュベイトファンド代表
ジャフコの海外投資部門でシリコンバレーやイスラエルのIT企業への投資やJV設立、日本進出業務を担う。アクセンチュアのコーポレートデベロップメントおよびベンチャーキャピタル部門、三菱商事傘下のワークスキャピタルを経て、2007年、ベンチャーキャピタリストとして独立。ネット事業の創業投資に特化したファンド、コアピープルパートナーズを設立した。10年にインキュベイトファンドを設立し、代表パートナーに就任。国内投資に加え、シリコンバレー、インドおよび東南アジアの海外ファンドを統括する

2023年、ブロックチェーンゲームが多数登場?

――23年に注目すべきスタートアップの潮流は。

本間真彦氏(以下、本間) 2022年から23年にかけて、スタートアップ全体で盛んに議論され、VC側でも新しいファンドが組成され、国内の新興企業がシンガポールやドバイに拠点を構えるなど、活動が活発化しているのがWeb3(ウェブスリー)の領域。ブロックチェーンを基盤とした分散型のインターネットをベースとし、新たなビジネスやエンターテインメントの市場が日本でも立ち上がろうとしています。

 特に、ゲームとファイナンス(金融)を組み合わせた造語である「ゲーミファイ」の領域は、ゲーム内通貨として暗号資産(仮想通貨)を活用し、プレーして暗号資産を手に入れ、さらにアイテムなどをマーケットプレースで2次流通できるなど、新しい楽しみ方、ビジネスの形があると、引き続き注目度が高い状態です。

――国内でゲーミファイの代表的なスタートアップは。

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