2022年11月4日発売の「日経トレンディ2022年12月号」 ▼Amazonで購入する では、「2023年ヒット予測ランキング」を特集。9位に「NFTチケット」が選ばれた。同じデータを持つ人は他に存在しないというNFT(非代替性トークン)の特性を生かし、音楽ライブやスポーツの試合などの偽造チケットが出回らないようにするアイデアが話題を独占。興行主が認めた“合法的”なチケットの2次流通市場が生まれる可能性もある。

※日経トレンディ2022年12月号より。詳しくは本誌参照

2023年ヒット予測9位は「NFTチケット」
2023年ヒット予測9位は「NFTチケット」

NFTチケット

NFTの特性を生かし偽造防止、2次流通も実現

 高額取引が話題になったNFTアートやトレーディングカード。軟調な暗号資産相場や需給が崩れて、値下がりする作品が相次ぐ。だからといって、NFT自体が“オワコン”になったわけではない。音楽ライブやスポーツの試合などのデジタル入場券に応用する例が急増しており、2023年はNFTが別の形で再び話題を独占する。

 NFTチケットと呼ばれるこのアイデアは、同じデータを持つ人は他に存在しないというNFTの特性を生かし、偽造チケットが出回らないようにするものだ。おかげで、入場ゲートで厳格なチェックが不要になり、利用者にとっては、行列に長時間並ぶストレスから解放されるメリットが生まれる。

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 入場券として使う手順は簡単で、専用アプリなどで入場券代わりのQRコードをNFTから生成。イベント当日に会場でこれを提示して、スタッフに読み取って確認してもらえばOKだ。ちょうどPayPayなどのスマホ決済で支払うイメージに近い。偽造ができないのは、NFTを持っていないとそもそもQRコードをつくれないためだ。一定時間ごとに作り直されるのでQRコードのスクリーンショットではチェック時にはじかれる。

 国内で普及の担い手として期待されているのが、日本初をうたって22年9月に開始したNFTチケット版プレイガイドサービス「TicketMe」だ。興行主がNFTチケットで売り出しているイベントを一覧し、その場で購入できる。支払いにはクレジットカードも使えるので、「チケットぴあ」「ローソンチケット」に似た感覚で利用できる。購入済みチケットから入場用QRコードの生成も簡単にでき、会場でもたつくこともない。

TicketMe(チケミー)
購入からQRコード発行・管理まで一括してできるNFTチケット販売プラットフォーム。リアルなグッズなどと交換できる「NFT引換券」も2022年11月から取り扱いを開始。チケットを2次流通しやすくするサービスも導入予定だ
購入からQRコード発行・管理まで一括してできるNFTチケット販売プラットフォーム。リアルなグッズなどと交換できる「NFT引換券」も2022年11月から取り扱いを開始。チケットを2次流通しやすくするサービスも導入予定だ

 「フットサルチームの他にトークショー、ミニコンサート、美術展、オフ会など、様々なイベントの主催者が次々とNFTチケットを売り出している。大手興行主からの引き合いもある」(代表取締役の宮下大佑氏)。23年中に5000のイベントでNFTチケットを使って入場できるようになる見通しだ。

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