2022年11月4日発売の「日経トレンディ2022年12月号」 ▼Amazonで購入する では、「2022年ヒット商品ベスト30」を特集。8位に「日産サクラ/eKクロス EV」が選ばれた。2022年5月20日に発表した「日産サクラ」(日産自動車)と「eKクロスEV」(三菱自動車工業)が好調で、4カ月で計3万6600台超を受注。補助金の適用で“200万円の壁”を突破し、圧倒的な安さで快走する。

※日経トレンディ2022年12月号より。詳しくは本誌参照

2022年ヒット商品8位は「日産サクラ/eKクロス EV」
2022年ヒット商品8位は「日産サクラ/eKクロス EV」

日産サクラ/eKクロス EV

4カ月で計3万6600台超を受注 補助金で「200万円の壁」を越えて軽EVが快走

 ついに日本にも「電気自動車(EV)元年」が訪れた――。そう感じさせる初速を見せたのが、軽自動車規格のEV「日産サクラ」(日産自動車、以下サクラ)と「eKクロスEV」(三菱自動車工業)の売れ行きだ。どちらも両社による合弁会社(NMKV)が開発し、三菱自動車工業の工場で製造した、いわば兄弟車だ。

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 22年5月20日に発表すると、発売前の6月12日の時点でサクラは1万1429台、eKクロス EVも約3400台を受注する。その後も快進撃は続き、9月中にサクラは受注が3万台を突破。eKクロス EVも6600台を受注した。21年に日本で販売されたEVの合計は2万1139台。その約1.7倍の台数を僅か約4カ月で受注したことになる。

■既にリーフの年間最大販売数(2018年)を超えた
注)既存EVの1年目や、最も売れた年の登録台数との比較。右2つは三菱自動車工業
注)既存EVの1年目や、最も売れた年の登録台数との比較。右2つは三菱自動車工業

 これほど売れた最大の理由は、圧倒的な安さだ。価格はどちらも税込みで240万円を切り、国産の代表的な小型EVである日産リーフ(税込み370万9200円〜)よりも130万円以上安い。さらに、22年には経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」が最大55万円受け取れたので、実質190万円以下でも購入できた。この価格なら、グレードの高い軽自動車と大して変わらない。

 ここまで安くできたのは、高価なリチウムイオン電池の容量を、日産リーフの半分の20キロワット時に抑えたから。バッテリー容量が小さいので、満充電で走れる航続距離は180キロメートル(WLTCモード)と短いが、軽自動車の用途はそもそも近距離ですむ街乗りがメインで、旅行や長距離のドライブに使う人は少ない。短距離なら、EVであっても出先で充電する不便を味わうことはなく、むしろ自宅で充電できてガソリンスタンドに行く必要がないメリットの方が大きい。航続距離を問われない軽自動車カテゴリーだからこそ、サクラとeKクロス EVは成功したといえる。

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