2022年11月4日発売の「日経トレンディ2022年12月号」 ▼Amazonで購入する では、「2022年ヒット商品ベスト30」を特集。7位に「翠ジンソーダ缶」が選ばれた。ハイボールや無糖レモンサワーなど、居酒屋メシに合う食中酒の新星。2022年3月に発売するとロケットスタートに成功し、年末までに累計350万ケース(6リットル換算)へ達する勢いだ。
※日経トレンディ2022年12月号より。詳しくは本誌参照
翠ジンソーダ缶
踊り場のレサワブームの中、突如現れた新星 居酒屋メシに合う食中酒が350万ケース
ハイボールや無糖レモンサワーなど、甘みが少なく食事の味を邪魔しないシンプルな味わいの食中酒の分野に、新星が現れた。4大蒸留酒の1つであるジンを炭酸水で割ったサントリー「翠ジンソーダ缶」だ。
炭酸の缶入り酒類という点では、2009年発売の「角ハイボール缶」のヒットが思い起こされるが、翠ジンソーダ缶はそれをはるかに上回る売れ行きを見せた。22年3月に発売するとすぐに売れ行きが好調なことから、同社は4月に年間販売計画を1.7倍に引き上げた。その後もペースは衰えずこの計画も8月に達成。年末までに累計350万ケース(6リットル換算)へ達する勢いだ。
従来、バーやライブハウスなどでたまに飲む程度で、酒類全体の1%規模と存在感がなかったジン。これを普及させるため、サントリーは伝統的なジュニパーベリーといったボタニカル(植物の種や根、皮などの素材)に加えて、ユズや緑茶、ショウガといった和素材を配合した。洋食はもちろん、居酒屋メシを含む和食にもマッチしており、日本人の味覚に合う味に仕立てた。
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「ハイボール、レモンサワーに次ぐ、第3のソーダ割りとして打ち出した。甘くなくてスッキリしていることから、飽きずに飲み続けやすい点が、老若男女問わず支持された」(サントリー)。テレビCMの「それはまだ、流行っていない」というキャッチコピーに刺激され、コンビニなどで手を伸ばした人は多かった。
ヒットの下地も整っていた。市場へ先行投入した瓶のジン「翠(SUI)」(以下、瓶の翠)は、20年発売時に当初計画の3倍となる9.5万ケース(8.4リットル換算)を販売。21年も22.4万ケースと右肩上がりで伸び、翠を気軽に飲みたいと願ったファンが翠ジンソーダ缶にも飛び付いたおかげで、好スタートを切った側面がある。
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