近年再び脚光を浴びている国道16号経済圏をウオッチする特集の最終回(第4回)は千葉県柏市。2005年のつくばエクスプレス開業で転入者が増加し、ショッピングモールの開設が相次ぐ。一方で、駅チカの百貨店が伸び悩み、そごう柏店は16年に閉店した。同様の現象は首都圏郊外で見られる。その背景、理由とは?

2016年に閉店したJR柏駅前のそごうは、今もそのまま放置されている(写真/著者)
2016年に閉店したJR柏駅前のそごうは、今もそのまま放置されている(写真/著者)

 JR常磐線、東武アーバンパークラインが発着する柏駅を降りて東口に出る。右手に柏マルイ、正面にビックカメラ柏店がメインで入る専門店街スカイプラザがある。左手に視線を移すと、そこにそびえ立っているのが上記写真の建物。最上階に回転展望レストランを擁するその姿形は、40代以上ならなじみ深いであろう、そごうである。だが、その壁面には「SOGO」のロゴもセールの垂れ幕もない。そごう柏店は2016年9月に閉店。すでに6年が経過している。

 かつて人々を楽しませた1階入り口のからくり時計は、08年には運用を終了した。現在も時計は正確な時刻を指してはいるものの、建物の時は止まったまま。解体されるでも他の用途に使われるでもなく放置され、廃虚と化している。

 千葉県内で、千葉市、船橋市、松戸市、市川市に次ぐ43万人超の人口を擁する柏市において、乗降人員最大の柏駅前一等地でこの状態が続いているのは異常事態だ。そごう柏の土地と建物は三井不動産が地権者から取得したものの、跡地活用については方針が定まっていない。

 では、競合が撤退した柏駅直結の百貨店、柏高島屋ステーションモールはにぎわっているだろうか。週末に視察に行くと、こちらは10代後半から20代の若者の姿も見かけられた。専門店を集めたS館5階にライフスタイルストア「PLAZA」、同7~8階にハンズ(東急ハンズ)、同8階に手芸用品専門店のユザワヤが入居。新館の6~7階には無印良品、同5階には購入前の本をカフェで読める、くまざわ書店とカフェ・ド・クリエのブック&カフェが営業している。

 一方、取り扱いジャンルとフロア構成が昔ながらの百貨店スタイルで営業している本館高島屋は、やはり来店客の年齢層が総じて高い。老・若はいるが、30~40代ファミリー層が全体のバランスからするとやや少ないように映った。

 柏市は05年に沼南町を合併して人口を38万人台に乗せて以降も着々と流入を増やし、10年に40万人を突破。翌11年の東日本大震災直後に一部で高い放射線量が測定されて一時的に停滞したが、22年10月時点で推計43万2450人。20年10月の国勢調査人口42万6468人から5982人増加している。これは政令指定都市に次ぐ行政機能を持つ全国62の中核都市の中でトップの数字である。

 柏市への流入で多いのはやはりファミリー層だ。駅ナカ百貨店でもっと見かけてもいいはずだが、30~40代子連れファミリーはどこにいるのか?

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