「つながる&稼ぐ」サステナD2C戦略 第5回

サステナブル(持続可能)な社会を実現するには、製品に使う素材から製造方法まで多くの技術革新が不可欠となる。最近のファッション業界では「ビーガンレザー」と呼ばれる合成皮革の登場が注目を集めている。キノコ菌糸体のレザーを開発するスタートアップに、D2Cブランドとの連携など今後の展望について聞いた。

独アディダスは2021年4月にキノコの菌糸体を使ったレザー代替素材「Mylo」の試作シューズを公開した
独アディダスは2021年4月にキノコの菌糸体を使ったレザー代替素材「Mylo」の試作シューズを公開した

 キノコの根には、菌糸体と呼ばれる綿のような繊維が生えている。米ボルト・スレッズは、この菌糸体の繊維を使ったレザー代替素材「Mylo(マイロ)」を開発するスタートアップ。独アディダス、カナダのスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ、英ファッションブランドのステラ・マッカートニーがMyloを使った製品の開発や販売を進めている。日本でも土屋鞄製造所(東京・足立)が2022年12月にMyloを使った小型の財布を販売する。ランドセルやバッグも開発している。

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 ボルト・スレッズはバイオ化学者のダン・ウィドマイヤーCEO(最高経営責任者)が中心となり、09年に立ち上げた企業。当初はクモの糸のたんぱく質構造を応用したシルク風の糸を扱っていたが、18年からMyloの開発に取り組んだ。「我々の使命は、38億年の歴史を持つ地球上の生命から生まれた偉大な発明を活用すること」とウィドマイヤー氏は語る。

レザー代替素材Myloのイメージ
レザー代替素材Myloのイメージ

 シルク繊維を使った商品開発でステラ・マッカートニーなどのブランドと提携を進めてきた。それらブランドから、レザー代替素材の要望が強くなってきたこともあり、キノコ菌糸体の素材開発を推進するようになったという。

 生産工場内の中で、おがくずや有機物を与えつつ、約2週間をかけて菌糸体を育てると、袋に入れてつぶした綿あめのような状態になる。これを収穫し、着色して、化学的な加工を加えることで皮のような形状になる。

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