
2022年にデビュー8年目を迎え、再び販売台数を伸ばしているマツダ「ロードスター」。4代目のチーフデザイナーを務め、21年2月にデザイン本部長に就任した中山雅氏が、色あせないデザインの秘密やマツダデザインの今後とともに、自身のデザイン哲学を語った。
マツダ デザイン本部 デザイン本部長
1989年にNA型と呼ばれる初代が誕生し、2015年に現行モデルの4代目(ND型)がデビューしたマツダ「ロードスター」。16年には累計生産台数が100万台を超え、21年には特別仕様車「990S」を発売するなど、今も話題を提供し続けている。
4代目のデビュー8年目を迎えた22年、マツダを代表するライトウエートスポーツカーの売れ行きが好調さを取り戻している。4代目ロードスターは発売翌年から、グローバルの販売台数3万〜4万台をキープしたものの、20年になると約2万台に落ち込んだ。しかし、21年には再び上向き始め、22年1〜3月は、国内だけで毎月1000台を超えるセールスを記録するなど、前年を上回るペースで販売台数を積み上げている。
4代目にはソフトトップとハードトップの2モデルあるが、どちらも、現在、マツダのデザイン本部長の中山雅氏がチーフデザイナーを務めた。中山氏は、16年にロードスターの商品開発主査となり、マツダ初のデザイナー出身の商品開発主査となった人物でもある。
ロードスターに施した視覚のトリック
今も売れ続ける4代目の「色あせないデザイン」はどう導いたのか。それは、中山氏が追求した、スポーツカーとしての普遍的とも言えるプロポーションにある。
「人馬一体」を体現するライトウエートスポーツカーという初代のDNAを継承した4代目は、全長3.9メートルとコンパクト。全長が短い車体は、「一般論として、キュートでかわいらしい印象になる。普通にやると、スタイリッシュなスポーツカーに見えにくい」(中山氏)。
かわいいではなく、どうスタイリッシュに見せるか。エクステリアデザインには、車体を伸びやかに演出する、視覚のトリックとも言うべき工夫を施している。
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