できるクリエイターの仕事術 第2回

DX(デジタルトランスフォーメーション)やOMO(オンラインとオフラインの融合)を積極的に推進するユナイテッドアローズ執行役員CDO(最高デジタル責任者)の藤原義昭氏。小売店のリアルとデジタルをつなぐ施策を実践し、講演活動も行っている。そのアイデアの源泉と実践の方法を聞いた。

「基本的に、自分自身を仕組み化するのが好き」(写真/志田彩香)
「基本的に、自分自身を仕組み化するのが好き」(写真/志田彩香)
藤原 義昭(ふじはら よしあき)氏
ユナイテッドアローズ執行役員
CDO(チーフ デジタル オフィサー)
マーケティング本部 本部長

1974年名古屋市生まれ。大学卒業後、リユース大手企業に入社、同社での最終役職は執行役員マーケティング統括部長。2021年4月の当社入社後は、執行役員 CDO DX推進センター 担当本部長として、自社ECサイトのリプレイス、商品管理システムの刷新等、競争優位性や業務生産性を固めるDX戦略を推進している。2022年4月より現職

 「世の中にヒントを見つけて、それを『仕組み化』できるか。マーケティングには再現性が必要だ。導入して1回目はコストがかかるが、2回目、3回目、4回目……と使えると、初期投資を回収して利益が出る」と、ユナイテッドアローズ執行役員CDOの藤原義昭氏は言う。

 「基本的に、自分自身を『仕組み化』するのが好き」と語る藤原氏。その「仕組み化」の範囲は日常生活全般に及ぶ。例えばいつも、自宅で家族につくる朝ご飯は3パターンで1周と決める。会社で食べる昼ご飯は、いつも同じものをコンビニで購入する。それも「仕組み化」だ。無駄をなくし、顧客や来店者のことを考える。会社でメンバーのことを考え、ディスカッションするためにも「仕組み化」が必要だと言う。

【基本編】課題解決を「仕組み化」する
【基本編】課題解決を「仕組み化」する
「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」の店舗外観
「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」の店舗外観

DXでも自社の資産を生かす「仕組み化」

 例えば、リポートの作成がある。上司に報告するリポートを毎月違うフォーマットで作っていたら、時間がかかる。お互いに最も分かりやすく、簡単なフォーマットを見つけて毎月続けるのがいい。

 藤原氏によると「仕組み化」はDXとも相性がいい。業務改善にいきなりデジタルを持ち込んでも組織は動きにくい。まず簡単なことを整理し、業務がどう動いているのか調査し、容易に着手しやすいところからDXの仕組みを用意する。会社のDXはそこから始まるというのだ。

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