
DX(デジタルトランスフォーメーション)やOMO(オンラインとオフラインの融合)を積極的に推進するユナイテッドアローズ執行役員CDO(最高デジタル責任者)の藤原義昭氏。小売店のリアルとデジタルをつなぐ施策を実践し、講演活動も行っている。そのアイデアの源泉と実践の方法を聞いた。
ユナイテッドアローズ執行役員
CDO(チーフ デジタル オフィサー)
マーケティング本部 本部長
「世の中にヒントを見つけて、それを『仕組み化』できるか。マーケティングには再現性が必要だ。導入して1回目はコストがかかるが、2回目、3回目、4回目……と使えると、初期投資を回収して利益が出る」と、ユナイテッドアローズ執行役員CDOの藤原義昭氏は言う。
「基本的に、自分自身を『仕組み化』するのが好き」と語る藤原氏。その「仕組み化」の範囲は日常生活全般に及ぶ。例えばいつも、自宅で家族につくる朝ご飯は3パターンで1周と決める。会社で食べる昼ご飯は、いつも同じものをコンビニで購入する。それも「仕組み化」だ。無駄をなくし、顧客や来店者のことを考える。会社でメンバーのことを考え、ディスカッションするためにも「仕組み化」が必要だと言う。
DXでも自社の資産を生かす「仕組み化」
例えば、リポートの作成がある。上司に報告するリポートを毎月違うフォーマットで作っていたら、時間がかかる。お互いに最も分かりやすく、簡単なフォーマットを見つけて毎月続けるのがいい。
藤原氏によると「仕組み化」はDXとも相性がいい。業務改善にいきなりデジタルを持ち込んでも組織は動きにくい。まず簡単なことを整理し、業務がどう動いているのか調査し、容易に着手しやすいところからDXの仕組みを用意する。会社のDXはそこから始まるというのだ。
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