
後払い決済サービスを提供するペイディ(東京・港)は、「あと払い決済」というサービスの認知拡大に加え、ブランディングを目的にしたTwitter広告を展開している。運用のポイントは、価値の高いコンテンツでユーザーにサービスを「自分事化」してもらい、さらに周囲へ「伝言」してもらうこと。単なるファンではなく“語り部”の獲得が焦点だ。
自分事化の先に生まれるUGC
例えば自社商品が食べ物だったら、おいしそうに見せることで食欲を刺激できるだろう。洋服や家電、あるいは旅行などでも、目に映るビジュアルを駆使して購買意欲を刺激することが可能だ。だが、買い物の「手段」にすぎない決済サービスの場合、興味関心をどのように引き出せばいいのか。その課題に対し、Twitter広告を活用してユーザーの「自分事化」を促し、若年層へのサービス浸透を図っているのがペイディだ。
2014年からサービスを展開し、Amazon.co.jpやQoo10などのECサイトをはじめ、70万店以上の加盟店での買い物に利用できるペイディは、メールアドレスと携帯番号を入力すれば当月の決済をまとめて翌月後支払いができる通常のサービスと、アプリをダウンロードし、運転免許証やマイナンバーカードを使用して本人確認を済ませれば、分割手数料不要(銀行振込、口座振替のみ)の「3回あと払い」をはじめとするより便利な機能が利用できるというものがある。
Z世代などを中心に利用が広がり、22年10月末時点でアプリは600万ダウンロードを突破した。同社は調査目的でさまざまなチャネルを使ってマーケティングを展開しているが、「Twitterは情報拡散力とUGC(ユーザー生成コンテンツ)の生まれやすさが優れている。そこで若年層に向けた認知形成とサービスの『自分事化』を目的に広告配信をしている」とペイディ シニアマーケティングマネジャーのサイモン・シエ氏はTwitter広告を評価する。
若者にSNSが普及している現在、もはや企業が一方的に配信する情報よりも、周囲の人の言葉のほうが、有益かつ信頼できる情報として受け入れられる可能性は高い。そこで同社がTwitter施策で売り上げに関連するKPI(重要業績評価指標)として着目しているのが、指名検索数やTwitter上での「ペイディ」言及数。つまり「ペイディを語る利用者」を重視しているのだ。
日常的にペイディのTwitter広告を配信しつつ、春の新生活スタートや冬のクリスマスなど、大きなイベントが発生する時期には、時節に合ったコンテンツを投入する。その際、ペイディ言及数を最大化する鍵となるのが、サービスの「自分事化」だ。一体どんなコンテンツを配信すれば、特に若いユーザーはペイディを身近なサービスとして認知してくれるのか。
すべてに共通する考え方は、「共感されるサービス利用シーン」や「サービスを活用するメリット」を、いかに「楽しく」伝えるかだ。これら3つが合わさったコンテンツを配信することで、ユーザーはペイディのサービスを「自分事化」しやすくなるのだという。
1週間でエンゲージメント率93%の漫画活用術
ストーリー性があって、自分事化を促しやすい手法が漫画だ。ペイディでは「4コマ漫画」と「8ページ漫画」の2パターンの漫画を広告配信している。そこで共感を得るポイントとなるのが、「何」を「何のために買うか」だ。
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