ここがヘンだよTwitter広告運用 第3回

味の素冷凍食品は2022年9月、タレントの広瀬すずを起用したギョーザの新テレビCMに合わせてTwitter広告を展開した。Twitterの新しい広告メニュー「ブランドいいね」を使った施策で、プロモーション終了の翌週には、コロナ禍特需を除いて過去最高の売れ行きを達成。成功の理由を担当者に聞いた。

広瀬すずをキャラクターに起用した味の素冷凍食品のギョーザ
広瀬すずをキャラクターに起用した味の素冷凍食品のギョーザ

コロナ禍特需を除いて過去最高の売り上げ

 2022年で発売50周年を迎えた味の素冷凍食品のギョーザは、60代以上が購買層の4割を占めている。これに対し、同社では「20代、30代のファンを増やしたい」と、21年ごろからテレビCMに加え、SNSを活用した広告展開に力を入れ始めた。

売り上げ日本一という味の素冷食のギョーザ
味の素冷凍食品のギョーザ

 21年4月にはテレビCMをそのまま動画広告にしてTwitter広告として配信。ギョーザの認知拡大を狙った。同社国内統括事業部製品戦略部の多田裕之介氏によると、Twitter広告は「広告費1円当たりの売り上げは、テレビCMよりも効果が高い」と言う。

 22年9月8日からは新しいテレビCMの放映を開始。イメージキャラクターの広瀬すずが家族と食卓を囲み、ギョーザをほおばりながら母親役の堀内敬子と「ん~ふ~」(おいしい)で会話する内容だ(別バージョンもあり)。同日にはTikTokで「自宅で広瀬さんがギョーザを食べる様子を友人がスマホで撮影したような」動画広告の配信もスタート。続く11日にはTwitterで広告を配信した。そこで大きな変化が起きた。

 「いいねすると餃子(ギョーザ)が焼ける 味の素冷凍餃子好き」「なにこれ面白いんだけど いいねしたら餃子がでてくるなんて! 冷凍餃子は味の素が大好き もちろん冷凍庫には常備している」「今日の夕飯はコレにしよ~」「週に1回はこの味の素のギョーザが食べたくなる」──。

 Twitterでギョーザ広告を配信すると、ハッシュタグ「#んーふーすぎるギョーザ」が付いたツイートが続々と拡散された。これらのツイートに付いた総いいね数は、1日で380万に上ったという。さらに、配信翌週の冷凍ギョーザの売り上げが「新型コロナウイルス禍で最初に緊急事態宣言が出された20年4月の特需を除き、過去最高となった」(多田氏)。

 実はこの施策、22年7月にTwitterが提供を開始した新しい広告メニュー「ブランドいいね」を活用したものだった。

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