2022年10月4日発売の「日経トレンディ2022年11月号」 ▼Amazonで購入する では、「歯医者の真実」を特集。失った歯をカバーする義歯はどう選ぶべきか。義歯の選択肢となるのは、入れ歯かブリッジ、インプラントの3つだ。それぞれメリット・デメリットがあり、自分に合うのはどの方法なのか。選び分けの主なポイントを専門家に聞いた。

※日経トレンディ2022年11月号より。詳しくは本誌参照

失った歯をカバーする義歯はどう選び分けるのがよいのか
失った歯をカバーする義歯はどう選び分けるのがよいのか

 歯を失ったとき、「一本くらいなくても他の歯があれば大丈夫だろう」と考える人がいるかもしれないが、これは大間違いだ。歯には、周囲にスペースが空くと、すぐに隙間を埋めようとする性質がある。歯が1本でも動くと、さらに周囲の歯も動き、新たにできた隙間に歯垢(プラーク)がたまりやすくなる。その結果、虫歯や歯周病が悪化し、別の歯も失う事態になりかねない。

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 では、失った歯をカバーする義歯はどう選ぶべきか。義歯の選択肢となるのは、入れ歯かブリッジ、インプラントの3つ。選び分けの主なポイントは、快適性と費用との兼ね合い、自身の健康状態・生活習慣だ。

 抜けた歯の両隣に健康な歯が残る場合、まず選択肢となるのが、ブリッジだ。かむ力が比較的強く、保険診療に一部対応しているので費用も安い。ただ、残っている歯を一部削り、それをブリッジの土台にして人工歯を取り付けるので、どうしても健康な歯を削らざるを得ない。さらに土台にした歯とブリッジの隙間に歯垢がたまりやすく、新たに虫歯などが発生する可能性もあり、将来的なリスクを鑑みて検討する必要がある。

 部分的な欠損だけでなく、すべての歯を失ったケースにも対応できるのは、入れ歯とインプラントだ。入れ歯は保険が適用されるので、費用が抑えられるのが魅力。インプラントはかむ力が強く、歯と遜色ない見た目で、長期間使えるのが利点だ。ただ保険が一切適用されないので、失った本数が多いほど費用が跳ね上がる。「費用が高くても快適さを手に入れたい」という人は、インプラントを候補にするといい。

 体質によってはインプラント治療が受けられないケースもあるので、その点は注意が必要だ。インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上部に人工歯をかぶせるという流れで行われる。糖尿病患者やヘビースモーカー、骨粗しょう症の場合は、インプラント体と骨が結合しにくいなど、手術のリスクが高い。

 入れ歯を優先して検討した方がいい人は、他にもいる。入れ歯治療を専門に行うコンフォート入れ歯クリニック理事長の池田昭氏は、「歯を失った原因が、歯磨きの仕方にあるなら、インプラントにしてもインプラント周囲炎などになり、埋入したインプラントが脱落する可能性がある」と忠告。高齢者についても、「近い将来、自分で歯を磨けなくなることが想定されるなら、取り外しでき、介護者が手入れしやすい入れ歯の方が便利だ」(同)と語る。

 一方で、保険診療で製作された入れ歯では、「痛い」「かめない」などの不具合が起きがち。「快適性を諦めなければならない」と思うかもしれないが、それは早計だ。自由診療を選べば、人工歯などに使う材質や、入れ歯を固定するための金具の設計に制限がなくなり、自分に合った入れ歯を見つけられる可能性が高くなる。

 入れ歯、インプラントの両方で、治療方法が進化しているのも見逃せない。自由診療の入れ歯治療はデジタル化が進む。口腔内をスキャンしてコンピューター上で入れ歯を設計できるようになり、金属を使わない総入れ歯では、3Dプリンターで出力する方法も取られるようになった。製作時間が短縮され、費用も下がったという。

 インプラントでは、安全性をより高めるコンピューターガイデッドサージェリーが広まりつつある。3Dスキャナで型取り後、コンピューター上でシミュレーションを行い、手術用3Dガイドを製作。これをもとに手術を行うと、プラン通りにインプラントを埋入できる。従来、型取りには粘土のような素材を使っており、固まるまで時間がかかるうえ、外す際に痛みが生じることも多かった。しかし、3Dスキャナの導入で、治療時間が短縮され、痛みもなくなり快適性が向上したという。

 歯学博士・インプラント専門医の資格を持つ、三軒茶屋マルオ歯科理事長の丸尾勝一郎氏は、「歯科治療の進歩は、道具と材料のアップデートがカギ。最先端の設備や材料を導入している歯科は、信頼できるところが多い」と語る。最新治療に対応しているかは、まず歯科サイトを見て、確認したい。

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