2022年10月4日発売の「日経トレンディ2022年11月号」 ▼Amazonで購入する では、「歯医者の真実」を特集。画像をAI(人工知能)で解析して、歯周病を発見する技術の開発が進んでいる。数多くの症例の画像データをAIに読み込ませ、歯周病の可能性を推定する機械学習モデルを構築。その精度はかなり高まってきており、実証実験も始められている。

専用のスマホアプリを使い、「いー」の口で歯茎をなるべく出して撮影
専用のスマホアプリを使い、「いー」の口で歯茎をなるべく出して撮影
[画像のクリックで拡大表示]

 東北大学大学院歯学研究科とNTTドコモが共同で開発に取り組んでいるのが、画像をAI(人工知能)で解析して歯周病を発見する技術だ。スマホやデジタルカメラで撮影した歯茎の画像から、機械学習をしたAIが歯周病に罹患している可能性を推定(判定)する。

 現在、自治体や企業などで歯周病検診を実施するところもあるが、一部にとどまっており、受診率は全国で5%程度。ネックになっているのが、歯科医を確保する手間や診察に時間がかかることだ。「それが簡単に撮影するだけで済むようになれば、健康診断のメニューに加えたり、気になったときに自分で撮ったりすることで、歯周病を発見する機会を増やせる」(東北大学大学院歯学研究科の佐々木啓一教授)

「日経トレンディ2022年11月号」の購入はこちら(Amazon)

 数多くの歯周病の症例の画像を用いて、歯1本1本の歯肉(歯茎)について数万件のデータをAIに読み込ませ、歯周病の可能性を推定する機械学習モデルを構築した。このモデルを利用し、新たに撮影した歯茎の画像から「部位ごとの色や形状、腫れ具合、表面の質感などの特徴を検出し、AIが解析することで、歯肉炎や軽い歯周病、重い歯周病を見つけだす」(同)。