
愛媛県のブランド戦略課とソニーデザインコンサルティング(東京・港)がタッグを組んで、愛媛県愛南町の特産かんきつ「河内晩柑(Misho)」の欧州向けのブランディングを進める。「外国人には知られていない希少な果実」という切り口で、高品質なイメージを打ち出す。
愛媛県の2019年のかんきつ類の収穫量は約21万トンで、日本一だった。そんな「かんきつ王国」愛媛県では、かんきつ類を中心に農産物の輸出事業に取り組む。09年は台湾と香港向けに約6トンのかんきつを輸出していたが、そこからさらに販路を広げ、21年には107.2トン(愛媛県関与分)を輸出するまでになった。輸出先も台湾・香港・シンガポール・マレーシア・カンボジア・カナダ・EU・マカオの8カ国・地域に拡大している。
愛媛県産のかんきつが海外で受け入れられた大きな理由は2つ。1つ目が、種類の豊富さだ。愛媛県で栽培するかんきつ類はなんと40種類以上もあり、1年を通して何かしらの種類が収穫できる。「種類によって色や形、香りや糖度も異なるので、輸出先の好みに合わせたかんきつを提供できる」(愛媛県の農林水産部・農政企画局・ブランド戦略課 流通戦略グループの担当係長、谷中康太氏)。
2つ目は検疫の事情だ。「かんきつの輸出には輸出先ごとに厳しい検疫条件や残留農薬の基準が設けられている。愛媛県産の多彩な40種類のかんきつは栽培方法もさまざまで、各輸出先の基準を適切に満たしたかんきつのみ輸出している」(谷中氏)
ちなみに、谷中氏が所属しているブランド戦略課は「特に品質等の面で優れた愛媛県産品のブランド化を図る」という目的で08年に誕生した。かんきつ類を中心とした輸出事業も、彼らが中心になって行っている。
ソニーがからむ理由とは
ブランド戦略課の事業の中でも面白いのが、ソニーデザインコンサルティング(以下SDC)とタッグを組んで行った「河内晩柑(Misho:みしょう)」というかんきつに関するプロジェクトだ。河内晩柑は日本での名前で、海外ではMishoという名前を使用する。このMishoの欧州市場でのブランド化と、輸出事業を進める。
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