
国内の動物園の中で、Instagramのフォロワー数の多さでとりわけ目立つのが、和歌山県白浜町にある動物園「アドベンチャーワールド」。2018年のアカウント開設以来、驚異的なスピードでフォロワーを増やし続け、現在は約34万人だ。Instagramのフォロワー数増加は、来園者数の増加という事業貢献効果も生み出している。特にフォロワーが増え始めた19年には、来園者数を例年の約1.4倍に押し上げることに寄与。同園がInstagramで成果を上げ続けるポイントは、4つの機能の巧みな活用法にある。
「待ってました」「今日のおしり」「中の人分かってる!」。アドベンチャーワールドのInstagramで、ある動物の部位が映し出された画像が投稿されると、フォロワーから喜々としてコメントが投稿された。
アドベンチャーワールドのInstagramで、熱狂的な人気を集めるコンテンツ。それは「パンダのおしり」だ。ジャイアントパンダは同園の中でも屈指の人気動物。現在7頭のパンダが園内で暮らしている。
もっとも、最初からパンダのおしりが人気だと分かって載せていたわけではない。フォロワーの反応を基に求められているコンテンツを見極め、注力して投稿したことが奏功している。
確かに、アドベンチャーワールドは「動物」という強力なコンテンツを有している。しかしこれだけがフォロワー数が多い理由ではない。フォロワーの投稿への反応を見ながら、Instagramのさまざまな機能を活用している点に学びがある。
フォロワー1000人からの脱却 きっかけは「毎日投稿」
アドベンチャーワールドのInstagram運用は、最初から順風満帆だったわけではない。
2018年のアカウント開設時、フォロワー数はわずか1000人程度。Instagramは、Twitterの「リツイート」のような、投稿されたコンテンツを第三者が拡散できる機能に乏しい。だからこそ、初期段階ではアカウントを知ってもらう自助努力が重要になる。
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