ゲーム好きが高じて独学でプログラミングを学び、Nintendo Switch向けインディーゲーム『スーパー野田ゲーPARTY』『スーパー野田ゲーWORLD』をリリースしたマヂカルラブリーの野田クリスタルさん。「仕事にかこつけて遊ぶ!」と意気込んで、東京ゲームショウ2022(TGS2022)に乗り込んだ。
ゲーム大好き芸人としても知られるマヂカルラブリー・野田クリスタルさん。TGS2022初出展の吉本興業ブースでは、自らが総監督を務めたNintendo Switch用ゲーム『スーパー野田ゲーWORLD』を展示している。吉本興業ブースは「質素すぎるブース」として話題を呼び、メディアの取材も相次いだ。質素な割には好評である。
だけど野田さんには一つ心残りがある。
「俺だって東京ゲームショウ、満喫したいんですよ!」
そりゃそうだ。気持ちは分かる。だってそもそもゲームで遊ぶことが大好きなんだから。こんなに広い会場で所狭しとゲームの新作・話題作が並んでいれば、うずうずするのは当然というもの。
「じゃあ、“一般来場者”として参加します?」。そう答えたのは、日経BP 東京ゲームショウ事務局事務局長の田辺太陽。かくして、野田さん、あくまでも“一般来場者”と同じように会場を回ることになった。
一般来場者と肩を並べ、1ホールから入場。まずはマップを手に取る野田さん。「ああ広い! 俺的今年の注目は『ストリートファイター6』だけど、カプコンは7ホールか。まだ遠いな」。そうつぶやいて顔を上げた野田さんの目に飛び込んだのは……「あ! インディーゲームコーナーじゃないですか!」
そう、TGS2022の1ホールには今回、応募総数583タイトルの中から選ばれた78ブースが出展する「インディーゲームコーナー」があるのだ。「インディーは一緒に盛り上げていきたいんですよ」と、同じインディーゲームの開発者として、親近感もある様子。「それにインディーなら並ばなくても試遊できるゲームがあるんじゃないですかね」
胸躍らせながら向かった野田さんだったが、現実はそう甘くはなかった。さすが厳選されたインディーゲームが集まるコーナーだけに関心が高く、来場者でごった返していたのだ。「え、ここ、ほんとにインディーゲームコーナー? 並ばずに試遊できるってレベルじゃないじゃないですか」
クルマの“死にゲー”にハマる
人をかき分けるように進んでいると、1本のゲームが野田さんの目に止まった。Happy Volcanoの『You Suck at Parking』。先に試遊している人のプレーを観察する。一見レースゲームでありながら、ゲームの目的はコース内にある駐車場に正確にとめることのようだ。しかも駐車場に着くまでに、1度も車を止めてはいけない。つまり、駐車場からずれたりショートしてもダメということ。さらに、コースには崖があったり道が途切れた場所があったりして、それを加速パネルやジャンプ台を使って飛び越える。
さあ、次は野田さんの番だ。「あー、(崖から)落ちた~!」「お?おお? いい感じか?! 行き過ぎた~!!」。カラフルでポップな画面デザインからは想像できないほどに難しい。「これってクルマの死にゲーじゃない!?」。だからこそ駐車場に一発でとめたときは「超~、気持ちいい! なんだこれ、超気持ちいいな!」と爽快感があるようだ。
洋ゲーのRPGは初めて!
次に足を止めたのは、insertdiscs5のRPG『in Stars and Time』。カナダで活躍するフランス人クリエイターが作ったゲームで、ターン制のタイムループRPGだ。特徴的なのは、バトルシステム。自分のターンでコマンドを選択するコマンドバトルだが、自分の属性も敵の属性もじゃんけんになっており、例えば、パー属性の敵をチョキ属性で攻撃するとダメージがアップするという。
短時間でゲームの全体像をつかむことはできなかったけれど、「キャラクターが超かわいい。懐かしさと今のかわいさが両方あるよね」と野田さん。「洋ゲーのRPGってやったことないから、新鮮。全編やってみたい」と興味津々だった。
とはいえ、ここはまだ1ホール。このままでは8ホールまでいつまでたっても行けそうもない。「確かにこのままじゃ、1日終わっちゃうな!」とインディーゲームコーナーを後にすることにした。「それにしても、キャラクターデザインとかクオリティーとか、もうインディーゲームのレベルじゃないですよね。ほら、あっちのもかっこいい! あのゲームも面白そう」。まだまだ興味は尽きない様子だった。
(文/平野亜矢、写真/酒井康治)
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