※日経エンタテインメント! 2022年9月号の記事を再構成

21年はアップしたすべての動画が100万回再生を超えた5人組YouTuberコムドット。では、その動画はどのように作られているのか。今年6月実施のチーム史上最大のイベント「革命コラボマンス」をケーススタディに、やまとたちの動画の作り方を追った。

(写真/アライテツヤ ヘアメイク/大木利保 スタイリスト/吉田ケイスケ)
(写真/アライテツヤ ヘアメイク/大木利保 スタイリスト/吉田ケイスケ)

「革命コラボマンス」は、1カ月間毎日、異なるゲストとコラボ動画をアップしていくという壮大な企画にもかかわらず、準備を始めたのは、5月の初めだったという。

 「本来もっと前から準備をすべきだと思います。でも、僕はやりたいことは最速でやりたいので、すぐに準備の算段を立てて、コラボ相手を調整してやり切りました。無理をしようとする人が世の中にもっといてもいいと思うんです。誰かに無理って言われたり、前例がないといって諦めてしまう。僕からしたらやればいいだけなんで、イージーなことなんですよね」(やまと、以下同)

幅広いジャンルとコラボ

幅広い層を取り込むために、料理やゲーム、様々なジャンルのクリエーターとのコラボを企画。相手への依頼は、メンバーがツイッターやインスタグラムのダイレクトメール(DM)で直接行うことがほとんど。今回の企画で異色のゲストと言えるSaucy Dogの石原慎也も「直接DMが来た」と動画内で笑っている。

 「自分たちと大きく違う視聴者を持っている人とコラボする感覚は、僕からしたら、目当てのアーティストの対バン相手を好きになるのと一緒。フィーチャリング曲やファッションブランドのコラボとかもそうですけど、コラボから知ってもらうケースはすごく多いんだけど、それを効果的にやれているクリエーターは、まだすごく少ないと感じます」

「革命コラボマンス」と名付けて、1カ月続けることでイベント化するのも、大きな狙いの1つだ。

 「単発でコラボしてもお互いの視聴者にしか知られずに終わるから、僕たちは連続でやってムーブメントにしています。僕は大学で世界史を専攻していて歴史が好きなんですが、イベントに世界史っぽいワードを付けるんです。“革命”もそうですよね。そうすると、振り返った時にワードとして残りやすいし、視聴者に対しても『あなたたちは歴史の生き証人ですからね(笑)』と、僕たちの歴史の一部に巻き込みやすい。ニュースにもなって、社会から注目度も上がります。そうやってだんだん巻き込む人の数を増やしていきます」

1つの動画の再生時間が60分前後と長いのがコムドットの特徴だが、撮影には、その倍の時間を掛けることも少なくないという。加えて、撮影した素材をなるべく短期間で編集することで、撮影から配信までのリードタイムを極力短くしている。編集もメンバー自身が行っているため、体力勝負ではあるが、こうした取り組みが、動画の質や鮮度を保つことにつながっている。結果、「革命コラボマンス」でも、急上昇の動画を連発し、狙い通りの大きな結果を残した。

 「コムドットはグループなので、そもそも引き出しは多いほうだと思うんですが、コラボすると、相手がいなければ生み出せない動画を撮影できる。そういう点で、昨年3月の『革命コラボウィーク』の時より、相手の動画を綿密にリサーチした上で事前に企画を組みました。そのおかげで、『こことここのコラボは意外だった』っていう反響もたくさんいただいた。今年下半期に向けて、すごく意味があったと思います」

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