コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2022年9月15日、「日本ゲーム大賞 2022」の受賞作を発表した。「年間作品部門」で大賞を受賞したのはフロム・ソフトウェアの『ELDEN RING(エルデンリング)』。同社ディレクターの宮崎英高氏は経済産業大臣賞も受賞した。

オンラインで配信された「日本ゲーム大賞 2022」。「年間作品部門」の大賞はフロム・ソフトウェアの『ELDEN RING(エルデンリング)』に決まった
オンラインで配信された「日本ゲーム大賞 2022」。「年間作品部門」の大賞はフロム・ソフトウェアの『ELDEN RING(エルデンリング)』に決まった

 年間を代表するにふさわしいゲームタイトルを選出する「日本ゲーム大賞」。2022年は、21年4月から22年3月末までに発売された作品が対象となっている。22年の「年間作品部門」の大賞を受賞したのは、フロム・ソフトウェアの『エルデンリング』だった。

 『エルデンリング』は、ダークファンタジーの世界観で展開されるオープンワールドのアクションRPG。フロム・ソフトウェア ディレクターの宮崎英高氏によれば、同氏が「DARK SOULS」シリーズで培ってきた「達成感」というテーマに、冒険や探索などの要素を盛り込んだ作品で、今までにない規模の挑戦だったとのこと。同タイトルが優秀賞に選ばれたときは、配信のチャット欄に「当然だろ」「エルデンリングが強すぎた」「2020年代として見ても最高」「今年遊んだゲームだとぶっちぎりで面白かった」とのコメントが並んだ。

 宮崎氏は「過去に何度か優秀賞に選ばれたことはあるが、大賞にはずっと縁がなかったのですごくうれしい。『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアにとって大きな節目になるタイトル。それが大賞という形で最高の評価をいただいたのは感無量」とコメントした。

経済産業大臣賞も宮崎氏が受賞

 ゲーム産業の発展に寄与した人物・団体に贈られる経済産業大臣賞も、『エルデンリング』の宮崎氏が受賞。

「年間作品部門」大賞を受賞したフロム・ソフトウェア『ELDEN RING(エルデンリング)』の宮崎英高氏。同氏は経済産業大臣賞も受賞
「年間作品部門」大賞を受賞したフロム・ソフトウェア『ELDEN RING(エルデンリング)』の宮崎英高氏。同氏は経済産業大臣賞も受賞

 海外市場で最も高い評価を得た作品に贈られるグローバル賞は、『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』(日本作品部門)と『Call of Duty: Vanguard』(海外作品部門)が受賞した。『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』は、対象期間中に日本国内で最多販売本数を記録し、ベストセールス賞とのダブル受賞となっている。

 また、日本のトップクリエイター8人で構成される審査会が「独創性」をテーマに受賞作品を選出するゲームデザイナーズ大賞には、Daniel Mullins Gamesの『Inscryption』が選ばれた。プレゼンターとして登壇した審査員長の桜井政博氏は受賞タイトルを「これから実際にプレーしてみせるが、正直、ネタばらしはしたくない。プレー動画を見ないで、ショップに買いに行くのもいいかと思う」とコメントした。

ゲームデザイナーズ大賞の審査員長を務める桜井政博氏が同賞のプレゼンターとして登壇した
ゲームデザイナーズ大賞の審査員長を務める桜井政博氏が同賞のプレゼンターとして登壇した
司会進行はゲーム好きタレントとして知られる伊集院光氏(写真右)とeスポーツ実況アナウンサーの柴田将平氏(同左)が務めた
司会進行はゲーム好きタレントとして知られる伊集院光氏(写真右)とeスポーツ実況アナウンサーの柴田将平氏(同左)が務めた

今回の各賞受賞作は以下の通り。

●大賞
・『ELDEN RING(エルデンリング)』フロム・ソフトウェア

●その他優秀賞(発売日順)
・『バイオハザード ヴィレッジ』カプコン
『バイオハザード7 レジデント イービル』の3年後を舞台にしたバイオハザードシリーズ本編の10作目。2021年5月8日発売。

・『Sky 星を紡ぐ子どもたち』thatgamecompany
星の精霊たちを探し出して空へ還すことを目指すアクションアドベンチャーゲーム。2021年6月30日にNintendo Switch版が発売された。

・『Tales of ARISE』バンダイナムコエンターテインメント
1995年の第1作から続くロールプレイングゲーム(RPG)「テイルズ オブ」シリーズの最新作。2021年9月9日発売。

・『LOST JUDGMENT:裁かれる記憶』セガ
2018年に発売された『JUDGE EYES:死神の遺言』の続編に当たるリーガルサスペンスアクション。2021年9月24日発売。

・『ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ』スクウェア・エニックス
人気RPG「ファイナルファンタジー」シリーズ第14作に当たる「ファイナルファンタジーXIV」の拡張ディスク第4弾。2021年12月7日発売。

・『Pokemon LEGENDS アルセウス』ポケモン
『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』のスピンオフに当たるアクションRPG。2022年1月28日発売。

・『Horizon Forbidden West』ソニー・インタラクティブエンタテインメント
2017年に発売された『Horizon Zero Dawn』の続編に当たるオープン・ワールド・アクションRPG。2022年2月18日発売。

・『Ghostwire:Tokyo』ベセスダ・ソフトワークス
人のいなくなった東京・渋谷を探索しながら亡霊や妖怪を倒していくアクションアドベンチャーゲーム。2022年3月25日発売。

・『星のカービィ ディスカバリー』任天堂
『星のカービィ スターアライズ』から4年ぶりの新規タイトルで、初の3Dアクションとなった。2022年3月25日発売。

●グローバル賞 日本作品部門
・『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』ポケモン
Nintendo Switch用ゲーム『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド』『同 シャイニングパール』の総称。2021年11月19日発売。発売初週に全世界で600万本の販売本数を記録した。

●グローバル賞 海外作品部門
・『Call of Duty: Vanguard』ACTIVISION、Sledgehammer Games、Treyarch
第二次世界大戦の戦場を舞台にしたPlayStation 4、5/Xbox Series X|S/Xbox One/PC向けFPS。2021年11月5日発売。

●ベストセールス賞
・『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』ポケモン

●ゲームデザイナーズ大賞
・Inscryption/Daniel Mullins Games
『Pony Island』『The Hex』といったゲームで知られるクリエイターDaniel Mullins氏によるPlayStation 4、5/PC向けカードゲーム。2021年10月20日、Steamでリリース。

(文/堀井塚 高、写真/中村 宏)

▼関連リンク 日経クロストレンド「東京ゲームショウ2022特設サイト」 東京ゲームショウ2022公式サイト(クリックで公式サイトを表示します)
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