2022年9月15日~18日まで開催された東京ゲームショウで、暗号通貨も獲得できるブロックチェーンゲーム『TITAN HUNTERS(タイタンハンターズ)』を紹介していた、ベトナムRIKKEI SOFTのファン・テ・ズンCEOに話を聞いた。
ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)などとあわせて、「ゲーミファイ」(gameとfinanceを組み合わせた造語)や「Play to Earn」(プレイ・トゥー・アーン、ゲームをしてお金を稼ぐこと)という言葉を耳にする機会も増えているかもしれない。ゲーム内で暗号資産を獲得できるゲームで、フィリピンではそのゲームで生活している人がいると話題になった。ベトナム初のブロックチェーンゲー「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」の流行を知り、驚いたのはつい1年程前のことだ。
2022年月15日~18日まで開催された東京ゲームショウで、暗号通貨も獲得できるブロックチェーンゲーム『TITAN HUNTERS(タイタンハンターズ)』を紹介していた、ベトナムRIKKEI SOFTのファン・テ・ズンCEOに話を聞いた。
――タイタンハンターズとはどのようなゲームなのですか?
NFTなども活用したアクションゲームです。ゲーム内通貨を使ってアイテムを購入して戦ったり、ゲーム内の世界を探索したりして遊びます。これに加えて、Play to Earnの仕組みも持っています。TITANという独自暗号資産を獲得できるので、これを獲得するためにゲームをする人もいます。22年の5月ごろの時点だと1日当たり5万円ほどを稼ぐ人もいましたが、今は暗号資産のレートなどの関係からあまり稼げません。ですので、普通に遊んでいる人が大半ですね。
――いつごろ開発したゲームなのですか?
もともとは19年ごろ、モバイルゲームとして開発していました。ただ、リリースをしようかというタイミングで、ゲーミファイがはやり始めました。そこでモバイルゲームとしてではなくブロックチェーンをベースとしたものに変更してリリースすることにしたのです。21年のことです。
――日本からの利用者も多いのだそうですね。
タイタンハンターズの利用者はIDにするとトータルで約50万です。うち1万ほどがアクティブユーザーでしょうか。そのうち7割ほどが日本からのアクセスです。日本のインフルエンサーがTwitterなどで紹介してくれたのがきっかけで、アプリストアのダウンロードランキングでトップ3入りしたこともあり、利用者が増えました。もちろん、ゲームで暗号資産を稼いでいるユーザーもいます。
――Axie Infinity(アクシーインフィニティ)は、フィリピンなどで利用者増え、ゲームで生計を立てている人がいるとも聞きました。
ゲーミファイがはやっていたのは確かですが、ビットコインなど暗号資産のレートが下がったこともあり、稼ぐためにゲームをしている人は減っているように思います。ゲーミファイと言われるゲームはファイナンスを優先しているのでゲームとしての面白みがないものが多いのも事実です。アクションゲームも少なかったので、ゲームとして遊べる要素も多い、タイタンハンターズを開発しました。
――RIKKEI SOFTは、もともとシステム開発の会社なのですよね?
RIKKEI SOFTはもともと、日本企業からの依頼でベトナムでのオフショア開発を中心とした会社です。社員はベトナムに1350人。日本の子会社であるリッケイに150人ほどが働いています。
立命館大学と慶応義塾大学の留学生などで創業したので、会社名はリッケイにしました。
年間売り上げは80億円ほどの会社ですが、オフショアが半分の40億円。残りがAI(人工知能)やブロックチェーン関連の開発、教育事業などです。ベトナムではAxie Infinityなどがトレンドになったこともあり、新規事業としてゲームも手掛けることにしました。
――東京ゲームショウに出展した目的は?
日本のユーザーが多いので、マーケティングの一環として出展しました。ユーザーへのヒアリングなどをして、今後ゲーム開発に生かしたいと思っています。ゲームの認知拡大が、ブロックチェーンの普及にもつながればと思っています。当社ではブロックチェーン関連のシステム開発も請け負っていますが、欧米企業が圧倒的に多いです。日本ではブロックチェーンの活用が遅れているようにも思います。
今後は、タイタンハンターズを、ゲーミファイと言われる分野でもトップ10に入るようなゲームに成長させたいです。世界で1000万人規模のユーザーを獲得するのが目標です。うち10%ほどがゲーミファイのユーザーになってくれることで、ブロックチェーンの普及につながればとも思います。