「東京ゲームショウ2022」(TGS2022)のセガ/アトラスブースで来場者を集めていたのが、『龍が如く』のスピンオフ作品で2023年2月発売予定である『龍が如く 維新! 極』だ。14年発売の作品をベースに現在の最新ゲーム環境に合わせてリファイン。新要素を追加して生まれ変わったこの作品を試遊した。
2023年2月22日にPlayStation(PS)5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)で発売が予定されている『龍が如く 維新! 極』は、明治維新を舞台にした『龍が如く』シリーズのスピンオフ作品。オリジナルはPS3/PS4用タイトルとして14年に発売されたものだが、映像が美しくリファインされただけでなく、新要素も追加されている。
前述のように明治維新の時代を描き、その頃に活躍した歴史上の人物が数多く登場するのだが、ストーリーや設定には創作の要素も色濃い。虚実入り乱れたエンターテインメント作品として楽しめる本作は、だからこそ『龍が如く』らしい作品に仕上がっているとも言える。
主人公を務めるのは、その顔立ちこそいつもの「桐生一馬」その人の、坂本龍馬だ。上級武士にたてついたことで投獄されたり、育ての親を殺した濡れ衣を着せられたりして土佐を去った龍馬は「斉藤 一(はじめ)」と名乗って京に潜伏。どうやら陰謀の影には「新選組」が関わっていると知り、入隊試験を受けて三番隊隊長として入隊。任務をこなしながら、自らの運命に影を落とす謎を解くべく、調査を進めていくのだ。
新たに生まれ変わった『〜 極』には、『龍が如く0 誓いの場所』に登場した中野英雄、小沢仁志、竹内力が特別ゲストとして出演するほか、一部のキャストや顔が変更されるといった新要素も追加されている。
簡単モードで「岡田以蔵」と戦闘
TGS2022に出展されていた試遊バージョンには「昼モード」と「夜モード」の2つのモードが用意されていた。昼モードでは、シリーズお馴染みのキャラクターや特別ゲストが一堂に顔を揃える新選組の幹部会や、「京」の街の探索、戦闘が、夜モードでは、街の悪党や強敵のひとり「岡田以蔵」との戦闘を楽しむことができた。
案内してくれたスタッフに聞いてみたところ、「戦闘に関する新要素を楽しむなら、夜モードがお薦めですっ!」とのこと。素直に夜モードを選択。手応えよりも新要素を体験することが目的、という言い訳を用意して、もっとも簡単な難度でゲームをスタートした。
まずは岡田以蔵を討ちに行くことが語られるデモシーンからはじまり、これから体験するエピソードの物語的な背景と自分が何をすべきかを理解したら、さっそく夜の街へ。「龍が如く」シリーズらしく、リアルに描かれた街中を徘徊し、情報を得ながら岡田以蔵との戦闘へと進んでいく。
一番簡単なモードを選択したことや目的地である建物の方向が画面内のミニマップに表示されることもあり、基本的に迷うことはなかった。街角の要所要所に立つ人たちと会話をしたり、一目でわかる悪党たちとの戦闘をこなしつつ、岡田以蔵の元へ。
新選組が踏み込んだことで人々が逃げ出した賭場の片隅に座る、岡田以蔵。一緒に出発した隊長クラスの人たちは、口だけは勇ましく戦いを挑むもばたばたとやられていく。凄絶なまでの岡田以蔵の強さを思い知ったうえで、剣を抜くのが、我らが坂本龍馬だ。
本作では、刀で戦う「一刀の型」、剣と短銃で戦う「乱舞の型」、短銃で戦う「短銃の型」、そして拳で戦う「格闘の型」と、4つのバトルスタイルを方向キーで切り替えながら戦うことができる。ここまではオリジナルの『龍が如く 維新!』にもあった要素だが、本作ではさらに、仲間になった新撰組隊士のカードを編成することで「隊士スキル」というものが発動可能だ。
L2ボタンを押しながら方向キーを上下左右いずれかに押すことで発動するこの「隊士スキル」は、極太のレーザービームのようなものを発したりと、とにかくド派手。が、モーションが大きい上に発動するまでに若干の時間を要するために、なかなか当てるのが大変だった。その辺りをきちんと計算してクリーンヒットさせられるようになれば、かなり戦略的な戦い方ができるものとなりそうだ。
もともと実在する俳優の顔をスキャンしてキャラクターとしているなど、人物の描写がリアルなところが「龍が如く」シリーズの特徴の1つだが、映像が高精細になった『龍が如く 維新! 極』ではそれがさらに一歩進んだ感があった。
明治維新という激動の時代を舞台に展開する、『龍が如く』シリーズらしいドラマチックな物語。シリーズを貫く物語からは独立したスピンオフ作品だけに、そのけれん味が一層増しているのがこの『龍が如く 維新! 極』の楽しさ。わずかな時間ではあったが、その魅力の一端を十分に味わえる試遊だった。
(文・写真/稲垣宗彦=スタジオベントスタッフ、写真提供=セガ)
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