現在の年号は本当に令和なのか!? 思わずツッコミを入れたくなるほど、TGS2022の会場には名うてのマニアも驚愕(きょうがく)必至の、実にマニアックなレトロゲームを題材にしたタイトルが続々と出展されていた。

 セガの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、カプコンの『バイオハザード』『ストリートファイター』シリーズなど、今年も世界中のファンに愛される、有名IPの最新作が続々と出展されたTGS。これらのタイトルに限らず、今から20年も30年も前に発売されたものがシリーズ化され、現在にいたる例はそれこそいくらでもあるだろう。

 が、しかし! 今年のTGS会場には有名IPだけでなく、長らく続編のリリースが途絶え、今となってはよほどのゲーム通でなければ知らないであろう、実にマニアックなタイトルや関連商品がいくつも出展されていた。自称ゲーム歴40年超で、90年代からTGSを知る筆者も、かつてこれほどまでに驚かされた記憶はない。

 以下、本稿では有名、無名を問わず、大手メーカー以外のブースにも出展されていたレトロゲーム関連作品を一挙まとめてお伝えする。

30年ぶりの続編タイトルが誕生!

 インディーゲームコーナーのナツメアタリブースでは、アクションゲーム『奇々怪界 黒マントの謎』を出展していた。

 本作は、スーパーファミコン用ソフト『奇々怪界 謎の黒マント』の続編。前作の発売は1992年なので、なんと30年ものブランクを経て正当な続編が登場したことになる。さらに本作のルーツをさかのぼると、1986年にタイトーが発売したアーケードゲーム『奇々怪界』に行き着く。

 同社のスタッフによると、今回出展したのはなんとTGS会場限定バージョンとのこと。たった4日間だけのために特別版をわざわざ開発する、スタッフの入魂ぶりと本シリーズへの愛着は尋常ではない。

みこのヒロイン、小夜ちゃんと敵の妖怪たちのコミカルなビジュアルが特徴の『奇々怪界 黒マントの謎』
みこのヒロイン、小夜ちゃんと敵の妖怪たちのコミカルなビジュアルが特徴の『奇々怪界 黒マントの謎』

伝説のマージャンゲームがまさかの復活!

 1993年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された、女の子たちと対局するマージャンゲーム『美少女雀士 スーチーパイ』に端を発する、シリーズタイトル4本を収録した『アイドル雀士 スーチーパイ サターントリビュート』がシティコネクションブースに出展されていた。

 ほかにも同社ブースには、1987年に発売されたアーケードゲーム『サイキック5』をリメークした『サイキック5 エターナル』と、1992年に発売されたファミコン用ソフト『ギミック!』のリメーク版『ギミック! SPECIAL EDITION』が出展されていたのでまたまたビックリ! なお『サイキック5』は、後述するハピネットブースにも出展され、アーケード用きょう体で遊べるコーナーも登場していた。

シティコネクションブースにて。イカサマも遊びの一要素として取り入れてたことでも思い出深い『アイドル雀士 スーチーパイ サターントリビュート』
シティコネクションブースにて。イカサマも遊びの一要素として取り入れてたことでも思い出深い『アイドル雀士 スーチーパイ サターントリビュート』
左が『サイキック5 エターナル』、右が『ギミック! SPECIAL EDITION』。どちらもよほどのマニアでなければ、シリーズ第1弾の存在を知らないだろう
左が『サイキック5 エターナル』、右が『ギミック! SPECIAL EDITION』。どちらもよほどのマニアでなければ、シリーズ第1弾の存在を知らないだろう

古いアーケードゲームを続々リメーク

 周辺機器も含め50タイトルを出展したハピネットブースは、レトロゲームのリメーク、移植タイトルもかなり目立っていた。

 先日、Nintendo Switchで移植版が配信されたばかりの、1998年に発売されたアーケードゲーム『レイディアントシルバーガン』をはじめ、『ムーンクレスタ』(1980年発売)『テラクレスタ』(1985年発売)両作品の流れをくむ『ソルクレスタ』、1987年発売のアーケードゲーム『R-TYPE』をルーツとする『R-TYPE FINAL2』の各シューティングゲームの試遊台がズラリと並ぶコーナーは壮観だ。

 ほかにも、1990年に発売されたアーケードゲームをリメークした『スノーブラザーズ スペシャル』や、年末発売予定の追加版も含めると全60タイトルものレトロゲームがまとめて遊べる、タイトーのアーケード復刻ハード『イーグレットツー ミニ』なども出展されていた。

懐かしの縦スクロールシューティングゲームのリメーク作品。左側が『ソルクレスタ』、右が『レイディアントシルバーガン』
懐かしの縦スクロールシューティングゲームのリメーク作品。左側が『ソルクレスタ』、右が『レイディアントシルバーガン』
こちらは横スクロールシューティングゲームの『R-TYPE FINAL2』
こちらは横スクロールシューティングゲームの『R-TYPE FINAL2』
敵を雪ダルマにして倒すアクションゲーム『スノーブラザーズ スペシャル』
敵を雪ダルマにして倒すアクションゲーム『スノーブラザーズ スペシャル』
懐かしのアーケード用ビデオゲームきょう体を復刻デザインした『イーグレットツー ミニ』
懐かしのアーケード用ビデオゲームきょう体を復刻デザインした『イーグレットツー ミニ』

クソゲーとやゆされた作品の続編が!

 サンソフトブースでは、1985年に発売されたアーケードゲームが元祖で、同年に登場したファミコン版では多くのメディアでクソゲー(※同社のサイトでも、この呼称で本作を紹介している)とやゆされた『いっき』のシリーズ最新作『いっき団結』のプレイ動画を公開していた。

 本作は、なんと最大16人までオンライン協力プレイができるとのことで、現在CBT(クローズドベータテスト)の募集を始めている。ちなみに、前述した元祖『ギミック!』も同社が開発、発売した作品だ。

「いったいココは西暦何年だ?」と自問自答したくなるほどレトロなデザインのサンソフトブース
「いったいココは西暦何年だ?」と自問自答したくなるほどレトロなデザインのサンソフトブース

海外メーカーもリメーク版を次々開発

 海外のパブリッシャーが、日本のマニアックなレトロゲームをいろいろとリメーク、または移植していることにも大いに驚かされた。

 フランスのパブリッシャー、MICROIDSブースには、タイトーが1986年に発売したブロック崩し型ゲーム『アルカノイド』をリメークした『Arkanoid - Eternal Battle』と、1991年にデータイーストが発売したアーケード用アクションゲーム『ジョー&マック 戦え原始人』のリメーク版『New Joe & Mack:Caveman Ninja』が出展されていた。

 前者はステージデザインを一新し、プレイヤー同士で対戦できるバトルロイヤルモードなどが追加され、後者もグラフィックを現代風に描き直しただけでなく、2人同時に遊べるCO-OPなどのアレンジ要素がある。

ブロック崩し型ゲームをリメークした『アルカノイド』を、さらにリメークした『Arkanoid - Eternal Battle』
ブロック崩し型ゲームをリメークした『アルカノイド』を、さらにリメークした『Arkanoid - Eternal Battle』
『New Joe & Mack:Caveman Ninja』のルーツは、かつて数多くのカルト作品を世に出したデータイーストの『ジョー&マック』だ
『New Joe & Mack:Caveman Ninja』のルーツは、かつて数多くのカルト作品を世に出したデータイーストの『ジョー&マック』だ

 German Pavilion内に出展していた、ドイツのパブリッシャーININ Gamesは、1996年にミッチェルが発売したアーケードゲーム『キャノンダンサー』のリメーク版と、1986年にセガ発売した『ワンダーボーイ』を元祖とする、シリーズ作品を4タイトルを収録した『ワンダーボーイ アルティメットコレクション』の試遊台をKONAMIブースに設置していた。とりわけ前者は、元祖アーケード版の存在を知る人は相当なマニアに限られるであろう、超カルトな作品だ。

こちらはININ Gamesのブース。まさかドイツの会社が、日本のレトロゲームを精力的に移植、アレンジしていたとは……。ちなみに左端のポスターは『コットン 16bit トリビュート』
こちらはININ Gamesのブース。まさかドイツの会社が、日本のレトロゲームを精力的に移植、アレンジしていたとは……。ちなみに左端のポスターは『コットン 16bit トリビュート』

自宅をゲーセン化するミニ筐体も出展

 シャインブースは、日本生まれのアーケードゲーム(の海外バージョン)を収録した、海外製アーケードゲーム筐体をコンパクト化した『ARCADE 1UP』シリーズ4台を出展。すでに発売されている『ARCADE 1UP OUTRUN(アウトラン)』と、『ギャラガ』など往年のナムコ作品が遊べる『ARCADE 1UP BANDAI NAMCO Entertainment LEGACY』に加え、現在開発中の『Ridge Racer(リッジレーサー) Arcade Machine』と『Pong four-player pub table』が並んだ光景は、まるでゲームセンターのようだった。

 とりわけ『Pong four-player pub table』は、『Pong(ポン)』のほかにも『スーパーブレイクアウト』や『テンペスト』など、合計8タイトルのアタリ製タイトルを収録した実にマニアックな一品である。

クラシカルなデザインの筐体が並んだシャインブース
クラシカルなデザインの筐体が並んだシャインブース

(文・写真/鴫原盛之)

▼関連リンク 日経クロストレンド「東京ゲームショウ2022特設サイト」 東京ゲームショウ2022公式サイト(クリックで公式サイトを表示します)
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