ビジネスデイ初日、KONAMIブースにて『ONI - 空と風の哀歌』(以下、ONI)の開発トーク&アーティストライブが開催された。本作のプロデューサー・山本正美氏とディレクター・葉山賢英氏が、制作に至るまでの道のりやゲームの魅力を語った。
『ONI - 空と風の哀歌』(PlayStation 5、PlayStation 4、PC[Steam])は、新進気鋭のクリエイター・葉山賢英氏が代表を務めるKENEI DESIGNが開発する3Dアクションゲーム。クラウディッドレパードエンタテインメントと集英社/集英社ゲームズの共同事業として、2022年内の発売が予定されている。流通はKONAMI。プロデューサーを務めるのは、「勇者のくせになまいきだ。」シリーズや「PlayStation C.A.M.P!」の企画を手がけた元ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)の山本正美氏(集英社ゲームズ 執行役員)だ。
葉山氏はもともと「ファイナルファンタジー」シリーズの生みの親として知られる坂口博信氏が率いるゲームデザインスタジオ・ミストウォーカーに所属し、『FANTASIAN(ファンタジアン)』や『TERRA BATTLE(テラバトル)』のUI・グラフィックスを担当していたUIデザイナー。ゲーム会社で働きながら個人でもスマートフォン向けのゲームを開発しており、『ONI』も当初は個人で制作を進めていたという。
そんな葉山氏が、SIEが主催するゲームクリエイターの発掘支援プロジェクト「PlayStation C.A.M.P!」に応募したことがきっかけで山本氏と出会い、その縁が本作の共同事業につながっている。
山本氏は初めて開発途中の『ONI』のゲーム画面を見た際、その完成度の高さに驚いたという。「(葉山氏は)最初からアートのゴールをイメージできる。このイメージ力はグローバルで見ても珍しい才能。最初に見せてもらった段階で音楽も鳴っており、画だけでなく音のイメージもできていた」(山本氏)。初回の打ち合わせで「むしろこのゲームに関わらせてほしい」と山本氏のほうから申し出たそうだ。
その独特の世界観を象徴しているのが、オープニングムービーで流れるテーマ曲。ステージイベントでは、本作のテーマ曲を担当するKannaさんがメインテーマ曲『セイアクセツ』を披露した。
『ONI』は桃太郎に負けた鬼が復讐(ふくしゅう)を果たすために試練に立ち向かうという、鬼の視点で描かれた新しい「桃太郎」の物語。音楽も和風なテイストかと思いきや、メインテーマ曲『セイアクセツ』の歌詞は全て英語で、美しくもどこかもの悲しい雰囲気の漂う楽曲になっている。英語の歌詞は、グローバルに展開することを見据えた葉山氏がリクエストしたそうだ。
『ONI』は集英社ゲームズとKONAMIのブースにそれぞれ試遊が2台設置されている。ビジネスデイ初日に、集英社ゲームズのブースでチュートリアルを体験してみた。試遊時間は20分。鬼の空太(くうた)となって美しいゲーム世界を歩き回りながら、アクションの操作にも自然と慣れることができた。
(文/大吉 紗央里、写真/木村 輝、大吉 紗央里)
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