PCでゲームを遊ぶ人が増え、ゲーミングPC市場は拡大している。TGS2022では、MSI、GALLERIA、ASUS JAPANなどのブランドが、ゲーミングPCを多数展示している。王道のハイスペックモデルから変わり種まで、各社の注目製品を紹介する。
ゲーミングノートの最高峰MSIの「Titan GT77 12U」
MSIはグラフィックスカードやマザーボードといったPCパーツから、ディスプレーや無線LANルーターといった周辺機器、PC本体まで手掛ける。ゲーミング機器やゲーミングPCにも力を入れている。
注目は、ゲーミングノートのフラグシップモデル「Titan GT77 12U」(GT77-12UHS-001JP)だ。インテルの最新CPUであるCore i9-12900HXと、最上位のノート向けGPUであるNVIDIA GeForce RTX 3080Ti Laptop GPUを搭載する。ディスプレーは17.3型と大きく、解像度は4K(3840×2160ドット)でリフレッシュレートは120Hzに対応する。処理性能、表示性能ともに最高峰のノートPCだ。MSI公式オンラインショップでの価格は64万9800円(税込み、以下同)。
「Creator Z16P B12U」(Creator-Z16P-B12UHST-009JP)も、インテルのCore i9-12900HとNVIDIA GeForce RTX 3080Ti Laptop GPUを搭載したハイスペックモデル。Titan GT77 12Uとは対照的にシンプルなデザインで、一見すると一般的なビジネス向けノートのPCのようだ。ディスプレーは16型でペン入力に対応する。高性能なGPUを搭載するゲーミングPCは、ゲームのプレイだけでなく、ゲーム開発や3Dデザイン、動画編集などにも向く。製品名の通り、そうした用途にも対応したクリエイター向きのノートPCだ。MSI公式オンラインショップでの価格は59万9800円。
MSIによると、PC市場全体が落ち込む中で、ゲーミングPCやゲーミング機器の販売は好調に推移しているという。日本のPC市場におけるゲーミングPCの割合は、欧米や中国などと比べるとまだ低く、今後大きく伸びる余地があるという。
ASUS「ROG FLOW」シリーズはGPUを外付け可能
ASUS JAPANのブースには、ゲーミングブランド「Republic of Gamers(ROG)」のゲーミングスマホやゲーミングPCがずらりと並んでいる。
ゲーミングPCの注目は「ROG FLOW」シリーズだ。特徴は、別売の外付けGPUモジュール「ROG XG Mobile」を取り付けてグラフィックス性能を大きく引き上げられること。
その一つ、「ROG Flow Z13 (2022)GZ301」は13.4型の薄型軽量なタブレットPCだ。ASUS JAPANのオンラインショップでの価格は、21万9800円から。背面のスタンドで自立し、キーボードと合体させるとノートPCスタイルにもなる。重さは1.12~1.18㎏と軽く、これだけなら持ち運びに適したモバイルPCだ。
それが、ROG XG Mobileを接続するとハイスペックなゲーミングPCに早変わりする。ROG XG MobileにはNVIDIA GeForce RTX 3080 Laptop GPU搭載のものと、AMD Radeon RX 6850M XT モバイル・グラフィックス搭載のものがあり、価格は14万9800円から。グラフィックス性能が向上するだけでなく、外部ディスプレー出力端子やUSB3.2端子、有線LAN端子などを備えているので外部機器との接続性も向上する。外出するときは本体とキーボードの組み合わせでモバイルPCとして持ち運び、自宅ではROG XG Mobileを取り付けて、ゲーミングディスプレーやキーボードなどを接続してゲーミングPCとして使う、といったことができる。
そのほか「ROG FLOW」シリーズには、13.4型ディスプレーを回転させるとタブレットになるコンバーティブルタイプの「ROG Flow X13 (2022) GV301」、16型ディスプレーを搭載した同じくコンバーティブルタイプの「ROG FLOW X16 (2022) GV601」がある。
カスタマイズでかゆいところに手が届くGALLERIA
GALLERIAは、PC専門店の老舗であるドスパラが展開するゲーミングPCのブランドだ。デスクトップ型のゲーミングPCを中心に展示している。ガレリアのゲーミングPCはBTO(受注生産)方式で、モデルによってメモリーやストレージの容量、光学ドライブ、冷却ファン、電源容量などを選んで購入できる。例えば、将来より高性能なグラフィックスカードに交換することを見越して電源容量の大きいものを選んで購入するなど、使い方に合わせて柔軟な買い方ができる。
デスクトップ型はライトゲーマーをメインターゲットにした「R-Series」と、ヘビーゲーマー寄りの「X-Series」がある。価格が15万~20万円のものが1番人気で、次いで20万~25万円のものが人気だという。
展示している「GALLERIA RM5C-R36T」はR-Seriesの1つで、CPUにインテルのCore i5-12400、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 3060Tiを搭載する。メモリーが16GBの構成で価格は17万9980円から。X-Seriesの「GALLERIA XA7C-R37」は、CPUにCore i7-12700、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 3070を搭載する。メインメモリーが16GB、ストレージが1TBのSSDの構成で価格は24万9980円から。いずれもコストパフォーマンスが高い。
コラボモデルにも力を入れている。ブースには、プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」とのコラボモデルや、バーチャルYouTuber「渋谷ハル」とのコラボモデル、さまざまなFPSゲームで世界大会出場の実績を持つSHAKA氏とのコラボモデル、バーチャルeスポーツプロジェクト「ぶいすぽっ!」とのコラボモデルなどを展示している。いずれもファンにはたまらないモデルだろう。
場所を取らない 薄型ゲーミングPCも
AYANEO/MINISFORUMのブースでは、小型のゲーミングPCを展示している。特に目立つのは薄型の「NUCXi7」だ。ノートPCからディスプレーを取り去ったようなデザインで、スタンドに立てればほとんど場所を取らない。CPUはインテルのCore i7-11800H、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3070と、ゲーミングPCとして十分な性能を持つ。ディスプレー出力は4K出力×2に対応しており、好きなディスプレーと組み合わせて使える。
ゲーミングPCが欲しいが、デスクトップ型だと大きすぎるし、ノート型ではディスプレーサイズに不満があるといった人に向きそうな製品だ。2022年秋発売予定で、市場想定価格は20万5000円。そのほか超小型ゲーミングPC「HX99G」も展示している。CPUはAMDのRyzen 9 6900HX、グラフィックスはRADEON RX6600Mを搭載する。2022年秋発売予定で、市場想定価格は19万円。
(文・写真/湯浅 英夫)
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