スクウェア・エニックスのブースでは、2023年1月24日に発売を予定している、『FORSPOKEN(フォースポークン)』の試遊ができる。同タイトルの魅力は、異世界での魔法を使ったバトルやパルクール移動。スクウェア・エニックスの新しいスタジオの第1作目ということもあり、期待値は爆上げだ。
2018年に発足したスクウェア・エニックスの開発スタジオLuminous Productionsの第1作目として注目を集めている『FORSPOKEN』。筆者はスクエニのゲームをほとんどしたことがなく、恥ずかしながら同スタジオの存在も今回ブースを訪れて初めて知ったのだが、「世界最先端のテクノロジーとアートを融合させ、今まで誰も経験したことがないゲーム体験を作る」というビジョンを掲げて制作された、注目のタイトルのようだ。試遊ブースには多くの人が訪れ、待機列が絶えず朝から60分以上待ちの状態が続くほどの人気ぶり。一体、どのような未知なる体験ができるのか。初めてPS5に触れることもあり操作には不安しかないが、ライター仲間から「魔法使いっぽいから大丈夫」とわけのわからない励ましをもらいつつ、期待に胸を躍らせながら早速体験してきた。
「NEW GAME」を押してゲーム世界が画面に広がった瞬間、まず驚いたのが映像の美しさだ。植物や風景がリアル世界のように美しくて、ため息が出る前に「うわ、きれい…」と思わず言葉が口からこぼれてしまった。試遊時間は30分。早くフィールドを走り回ってみたいが、何をしたらよいのかわからないし、そもそもどのボタンを押せばよいのかもわからない。そんな筆者のようなプレイヤーのために、向かうべき目的地に特別なアイコンが表示されるつくりになっているのは非常にありがたかった。
『FORSPOKEN』は突如、異世界「アーシア」に飛ばされた現代人の主人公「フレイ」が故郷のニューヨークに帰るというストーリー。その魅力は魔法による戦闘や、走る・跳ぶ・登るといった移動で使われる、魔法を交えたパルクールの動きだ。Lスティックで移動中に○ボタンを押すと魔法パルクールが発動し、高速移動ができるようになる。実際にやってみようとするのだが、手元のどのボタンを押せばよいのかわからない。チュートリアル中も1つアクションが起こるたびに「どこ!?」とパニックになる私を見かねて、スクエニブースのスタッフさんが付きっきりで教えてくれる。だがボタンを探し当て、魔法パルクールを体験してみると、通常のRPGゲームで馬に乗っているようなスピード感で縦横無尽にサクサク移動できて、とても気持ちがいい。
最初のチュートリアルでは魔法パルクールのほかに攻撃魔法も体験できる。攻撃魔法は大きく分けて「攻撃魔法」と「支援魔法」の2種類。前者はR2で発動し、R2をちょっと押すとすぐ攻撃ができ、長押しするとため攻撃になる。「敵が見えたら距離を取って遠くからため攻撃を繰り出し、近づいてきたら近接攻撃をするといいよ」とスタッフさんにアドバイスをもらったが、○ボタンの魔法パルクールで移動や回避をしながらR2のちょい押し、長押しで攻撃方法を分けるまで頭が追い付かない。同じボタンの長押しとちょい押しなのに、操作するデバイスがいつもと違うだけで途端に難しく感じてしまう。敵数体を近接で倒してからやっとため攻撃の存在を思い出し、使い分けを意識できるようになった。
少し慣れてきた私を見て、スタッフさんが「移動中、着地に合わせて○ボタンか×ボタンを押すと、スタミナ消費を軽減して連続で高速移動ができますよ」と教えてくれる。「やっと攻撃を覚えたのに、今度はパワーアップした移動方法……!? ス、スパルタ……。初心者なんだから○ボタンのパルクールだけでいいじゃん……」と内心思いながらしぶしぶやってみる。懇切丁寧に教えてもらっているのに大層失礼な奴である。着地のタイミングでボタンを押すだけなのだが、そのタイミングが難しく、若干こつがいるようでなかなかうまくいかない。着地してからちょっと後とアドバイスを受け、何回か挑戦してみるとすぐできるようになった。「すごい! これです、できてます! お上手です!」とおだてられ、その後得意げに高速の連続移動を使いまくる筆者。確かに、移動時は非常に便利だし、なによりエフェクトや動きがとてもきれいなのだ。
調子に乗って高速の連続移動をしていると、橋から落下してしてしまった。そんなときは、光るトゲの付いた岩を探し、□ボタンを押して「繋留」というフックアクションを利用すると、上空に高く飛んで目的の場所に飛びながら移動できるようになる。実はこれもなかなか操作が難しい。□ボタンを押して岩に飛び移ったら次の岩に照準を合わせ、また飛び移って上まで移動しなければならないのだ。慣れるまでは飛び移る先の岩を探し、それを画面の中央に入れてターゲティングさせるのに苦戦して、何度も落ちてしまった。
ミッションをこなしていくと、最後にワニのような見た目のボスが出現した。異世界「アーシア」は瘴気に侵されており、そこに住んでいる人間や動物が凶暴化して、見た目も禍々しくなっていくのだそう。いかにも強そうで「え、これ戦えるんですか!?」と思わずスタッフさんに問うと、「全然戦えます」とのこと。それなら……とやってみるが、ワニの動きが思いのほか早く、遠距離攻撃をしようと敵から離れてもなかなか距離を保たせてくれない。攻撃、回避のヒットアンドアウェーを繰り返そうと思うのに、何度も遠距離攻撃を受けてしまう。なかなか倒せず攻撃に集中しがちになり、スタッフさんが何度も「ライフを回復して!」と横からアドバイスをくれる。が、その応援もむなしく、敵のMPがあと1センチほどのゲージを残してゲームオーバーになってしまった。もう一度倒す元気がなくなってしまったので、試遊する人は筆者の敵討ちも兼ねて、ぜひこのワニを倒してほしい。
「世界最先端のテクノロジーとアートを融合させ、今まで誰も経験したことがないゲーム体験を作る」というだけあり、操作性を含め、アクションやエフェクトも新時代を感じさせるゲームだった。操作に慣れるまで時間はかかったが、コマンドを覚えてしまえば非常に快適に動かせるし、新しい操作方法がたくさんあるからこそ、覚えて技を繰り出せるようになった瞬間の充足感はひとしおだ。ゲーム初心者の筆者でも十分遊べたので、ゲームの玄人から初心者まで、幅広い人が楽しめるタイトルだと感じた。
(文/吉成 早紀、写真/中村 宏、写真提供=スクウェア・エニックス)
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