インテルは、グラフィックスチップ「インテル Arc」シリーズを搭載したPCやグラフィックスカードを展示している。PCメーカーやゲームメーカーとの協業によるブースで、インテル Arcシリーズ搭載PCでのゲーム試遊もできる。
展示されているグラフィックスカードは、エントリー向けのGPU「Arc A380」を搭載したものと、ミドルレンジ向けGPU「Arc A750」(参考出展)を搭載したもの。Arc A380を搭載した小型PC「NUC12 Extreme」や、 Arc A370Mを搭載した日本HPのノートPC「Spectre x360 16」、NEC「LAVIE N15」ベースのノートPC(参考出展)も展示されている。試遊コーナーでは、上位の「Arc A770」搭載PCでゲームの試遊ができる。ほかにもインテル Arc搭載PCが試遊できる状態で用意されていて、ゲームが最適化されて動作していることが確認できる。
PCのグラフィックス機能は、CPUの内蔵グラフィックス機能が担っていることが多い。この方式はコストパフォーマンスに優れているが、グラフィックス性能は専用GPUに軍配が上がる。高いグラフィックス性能が必要なPCゲームの世界では、専用GPUを使ったグラフィックスカードを搭載するのが当たり前になっている。
インテル Arcシリーズの特徴の1つは、同社のCPUと組み合わせると協調して動作し、より高い性能を発揮できること。専用GPUを取り付けるとCPU内蔵グラフィックス機能はオフになるのが常識だが、インテル Arcの場合は、オフにならない。インテル ArcとCPU内蔵グラフィックス機能とが協調して、より高い処理性能を発揮したり、より細かな電力管理をしたりできるようになる。
例えば、CPU内蔵グラフィックス機能を使ったPCを持っていたら、あとからインテル Arcを取り付けることで、PCの性能を無駄なく引き上げられる。性能は、Arc A770でNVIDIA GeForce RTX 3060ぐらいだという。今後は、より高性能なハイエンド寄りの製品も予定されている。
インテル Arc搭載グラフィックスカードは各社から登場予定だ。搭載ノートPCは、日本HPなどからすでに発表されているほか、他のPCメーカーからも続々登場するとのこと。これまで、GPUといえばNVIDIAかAMDのものが一般的だった。CPUを製造している他ならぬインテル製のGPUだけに、新たな選択肢として注目を集めそうだ
(文・写真/湯浅英夫)
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