ゲーム周辺機器や関連グッズなどを企画・販売しているMSYは、自社ブランド「GRAPHT」のブースを出展している。そこでゲーミングデバイスのレンタルサービス「DeviceMe」と、ゲーム環境のプロデュースやレンタルサービス「BASE GRAPHT」を発表した。ゲーマーが抱える不安や不満を解決するサービスだ。
MSY(東京・杉並)はゲーム周辺機器や関連グッズなどを企画・販売しており、ゲーミングデバイスの人気ブランド「RAZER」の代理店でもある。TGS2022には自社ブランド「GRAPHT」のブースを出展しており、2022年9月15日に2つの新規事業「DeviceMe」(デバイスミー)と「BASE GRAPHT」(ベースグラフト)を発表した。
デバイスミーは、ゲーミングデバイスをレンタルできるサービスだ。購入するより安いコストで気になるデバイスを試すことができ、自分に合うデバイスを見つけやすくなる。レンタルし続けても正規価格以上の費用を請求されることはなく、正規価格に達した時点でその人の所有物になる。
2022年11月にベータ版サービスをスタートし、2023年中に正式サービスを予定している。レンタルできるのは、まずMSYが取り扱っているゲーミング機器ブランド「RAZER」の製品が中心で、正式サービス開始後はRAZER以外のブランドも順次追加する。正式サービスでは、デバイスの設置を行う出張サービスや、ゲームデバイス関連で困ったことを質問できるコンシェルジュサービスも提供する。
料金は、例えば家電量販店での実勢価格が2万4970円前後(税込み)のゲーミングマウス「Razer DeathAdder V3 Pro」が、3780円で2週間レンタルできる。製品単体のレンタルだけでなく、プロゲーマー監修のPCゲーミングデバイスをセットにしたレンタルも行う。
ゲーミングデバイスの性能が向上するにつれ、相対的に価格も上がっている。価格が高いためなかなか買えず、初心者には購入後に使いこなせるかどうかという不安や、どれを買えばいいのかわからないといった不安がある。ゲームに慣れた中上級者であっても、購入後に自分のプレースタイルに合わなかった、購入前に自宅の環境で試してみたいといった不満や要望を持つことがある。
MSYの秋山昌也社長は、「ゲーミングデバイスを購入するにあたり“失敗するリスク”などの課題がある。さまざまなメーカーが製品を展開し、新規参入も増えるなか、本当に自分に合うデバイスを探すことが難しくなっている」とゲーミングデバイス業界の課題を挙げた。MSYでTwitterなどからユーザーの声を集めたところ、何らかのデバイスを購入したユーザーの4割弱が、購入後に後悔したことがあるという。デバイスミーは、そうした不安や不満を解決するためのサービスだ。
ゲーマーが抱える住環境の課題を解決
ベースグラフトは、空間プロデュースや空間レンタルによって、理想のゲーム環境を提案するサービスだ。MSYによると、ゲーム環境の課題は山積。通信回線の速度や安定性が低いと、ゲームプレーで不利になったり、ゲーム配信ができなかったりするといった問題が起こる。また、ゲーム中のチャットや配信の声が騒音トラブルに発展することも。そのほか、ゲームに没入できる部屋やおしゃれなゲーミングルームといったゲーム環境へのニーズが高まっているという。
そこで空間プロデュースとして、ユーザーのプレースタイルやライフスタイルに合わせた理想の空間と、その作り方をWebサイトで紹介する。理想の空間に近づけるために必要な製品や部材も、順次発表していく。
次に空間レンタルとして、手軽に借りられるゲーム環境を提供していく。ブースには、今後リース予定のゲーミングコンテナが展示された。ゲーミングルームの賃貸も提供する。第1弾は東京都杉並区下高井戸にある1LDK・約40平方メートルの賃貸住宅で、年内に発表される。家具と家電付きで、ゲーミングPCとデバイスなどのパッケージも提供し、ゲームに向いた高速通信環境を用意する。
(文・写真/湯浅 英夫)
▼関連リンク 日経クロストレンド「東京ゲームショウ2022特設サイト」 東京ゲームショウ2022公式サイト(クリックで公式サイトを表示します)
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