香港のZ-Challengerは、2022年12月に発売を控えたレーシングシミュレーションゲーム『Rev to Vertex』(R2V)のベータ版を展示中だ。アイロック(名古屋市)のドライブシミュレーター「DRiVe-X」を使い、実車さながらの走行を楽しめる。

レーシングシミュレーションゲーム『Rev to Vertex』のブースでは、ドライブシミュレーター「DRiVe-X」を使って、実車さながらの走行を楽しめる
レーシングシミュレーションゲーム『Rev to Vertex』のブースでは、ドライブシミュレーター「DRiVe-X」を使って、実車さながらの走行を楽しめる

プロのレーサーが監修

 Z-Challengerの『Rev to Vertex』(R2V)は公道レースのシミュレーションゲームで、香港の山道や高速道路を舞台にスピードを競う。コースは実際の地形データを参照して作られており、プロのレーサーが監修した、レーシング物理エンジンを使ったリアルなドライビング体験が特徴だ。

5台のDRiVe-Xが並ぶ。体格が大きい人でも大丈夫
5台のDRiVe-Xが並ぶ。体格が大きい人でも大丈夫

 東京ゲームショウ2022(TGS2022)のブースでは、このRev to Vertexをアイロックのドライビングシミュレーター「DRiVe-X」で試遊できる。ブース内にはカラフルなDRiVe-Xが5台、余裕を持って並んでいる。試遊は開場してすぐに行列ができるほどの人気ぶりだ。DRiVe-Xは、ゲーム中のドライビングに応じて、まるで実車のようにシートが動く。リアルさを追求したドライブシミュレーターだけに、Rev to Vertexとの相性はよさそうだ。

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 DRiVe-Xの開発者であるアイロックの古賀琢麻社長は、米国で人気のモータースポーツ、NASCAR (ナスカー)にフル参戦しているプロレーサーとして知られる。古賀社長は「DRiVe-Xのコンパクトさと設置が楽なところが生きている。使う場所に持ってきて置くだけでいいし、色もポップで、これまでのドライブシミュレーターとは違う」と語る。

 DRiVe-Xはリアルな走行感が味わえるだけでなく、自宅に置いて、使わないときに眺めてかっこいいと感じられるデザインも特徴だ。そこが注目され、eスポーツをオーガナイズしている人からの引き合いもあるという。「どのソフトともつながるし、ソフト会社から話があれば、ハードウエアとして提供できる。TGSではそうした引き合いが意外にある」と言う。

DRiVe-Xの開発者であるアイロックの古賀琢麻社長
DRiVe-Xの開発者であるアイロックの古賀琢麻社長

eスポーツビジネスの変化に着目

 古賀氏は、これまでeスポーツにはあまり興味がなかった。「今までeスポーツはオーガナイズができていなかった。ゲームをよく知らないのにeスポーツを軽々しく口にする人もいて、本気で取り組んでいる人たちをばかにしているのではないかと思っていた」と話す。

 しかし「オーガナイズがようやくできてきた。例えば、eスポーツの施設からDRiVe-Xを何台置いて大会をやりたいといった話が来るようになり、それがビジネスとして成り立つようになった」(古賀氏)と、eスポーツを取り巻くビジネスに変化を感じている。

 海外展開にも熱心だ。グローバルのローンチとして、米国のラスベガスで22年11月1日に開催されるSEMAショーに参加する。SEMAショーは、米国自動車用品工業会(SEMA:Specialty Equipment Market Association)が主催する世界最大級のアフターパーツトレードショーで、世界中から大勢のバイヤーが訪れる。それに向けて、より大柄の人が乗りやすいようにシートを改良する。「今の為替レートでは、日本でやってもあまり商売にならない」と古賀氏。海外での反響が注目される。

(文・写真/湯浅英夫)

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