1日に数万人の来場者を集める東京ゲームショウ。丸1日会場内を見て回ろうと思ったら、昼食をどこで採るかはけっこう大きな問題だ。今年は今年は展示ホール1~8の裏に屋外フードコートが作られ、来場者たちの空腹を満たしていた。
東京ゲームショウがその規模の発展とともに、問題となってきたのが、食事とトイレの問題だ。幕張メッセは首都圏の大規模イベント会場としては歴史が古く、トイレの男性用個室が少なく、どこも長蛇の列が生まれてしまうなど、今となっては設備的な面でのウイークポイントがつい来場者の目に触れてしまう。
食事に関してはこの20年で海浜幕張駅周辺から幕張メッセに至るエリアには多くの飲食店やコンビニエンスストアが作られたが、さすがにイベント開催中の昼食となると、それらを利用するのは難しい。となると、メッセのなかで、ということになるわけだが。
幕張メッセ内には、中央エントランスにコンビニエンスストアのデイリーヤマザキがあるほか、2階中央モールの第6ホール付近にワールドキッチンズ、第1ホール付近にロイヤルガーデンコートと2件の飲食店がある。また、イベントによってはそこに弁当売りのワゴンが出現したりもするが、それでもやはり数万人の昼食を賄うには力不足と言わざるを得ない。
思えば東京ゲームショウでは中央エントランスホールわきにある幕張イベントホールを巨大なフードコートとして活用したりといったこともしてきた。今年はといえば、中央エントランスホールに臨時の弁当販売コーナーが作られたほか、TGS2022の目玉の一つとして、展示ホール1~8の裏側に、屋外フードコートが出現。数々のキッチンカーが並び、料理やデザートを提供していた。
この屋外フードコートについて東京ゲームショウ公式サイトでは会場マップとともにその陣容を紹介するなど、今回の見どころのひとつという扱いをしている。
ちなみにキッチンカーの内訳とその代表メニューは以下の通り。
730'S★ KITCHEN……炙りチャーシューエッグごはん
ピンクブーブー……厚切りチャーシュー丼
ちばPIZZA Lacotta……窯焼PIZZAマルゲリータ
BAN'S ★ KITCHEN……千葉県産いも豚特製焼きそば
エリジェス……チキンケバブ
千葉うまかっぺ屋……千葉ホルモンマニア丼
CHIBA fruits Factory……千葉くちどけいちご
肉 虎太郎……虎太郎焼肉丼
キャベツ……クレープ
これを見ると、9台のキッチンカーがあるように思えるが、実際には8台しかない。千葉うまかっぺ屋とCHIBA fruits Factoryは同じキッチンカーで提供されていたので、8台なのだ。その代わり、と言っていいのか、Red Bullを売っているテントも併設されていた。
東京ゲームショウではMonster Energyがスペシャルスポンサーとして名を連ね、会場内で商品の配布も行っている。同じエナジードリンクでいえば特に格闘ゲームファンにとってはRed Bullもまたなじみが深いだけに、ある意味、来場者にとっては納得のいく出店と言えるのかもしれない。
会期4日目、最終日となる18日は、台風の影響から屋外フードコートが営業をはじめる11時直前から風をともなった強烈な雷雨となってしまった。テント付きのベンチシートもたくさん用意されていたが、そのテントからは滝のように雨が流れ落ちるような状況ではあったが、それでもキッチンカーにはお弁当を求める来場者が列をなしていた。
思えば例年9月に開催されるTGSは、これまでも台風や秋雨前線の影響による降雨に見舞われたことがたびたびあった。3日目までのように秋晴れのなか、開放感のある昼食が楽しめればよいが、この4日目のように、まるで苦行のような体験になる可能性もある。それを考えると、もしかするとTGSと「屋外フードコート」という組み合わせは、あまり相性のよいものではないのかもしれない。
(文・写真/稲垣宗彦=スタジオベントスタッフ、写真/中村宏)
▼関連リンク 日経クロストレンド「東京ゲームショウ2022特設サイト」 東京ゲームショウ2022公式サイト(クリックで公式サイトを表示します)