
- 全14回
「マーケの危機」今、再考すべきこと
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- 第1回
- 2022.09.12
対談「なぜマーケティングは嫌われるのか」 顧客は“人”なんだ ステルスマーケティングやおとり広告など、企業の信頼を大きく揺るがす大問題がいくつも勃発している2022年。マーケターは今、自身が顧客に向き合う姿勢を再点検すべきときにある。そんな課題意識から立ち上がった本特集。第1回はファンベースカンパニーの佐藤尚之(さとなお)氏と電通の並河進氏が、マーケティングのあるべき姿を前後編にわたって議論する。 -
- 第2回
- 2022.09.12
マーケで「好かれるべき人に好かれる」には? さとなお氏対談 「好かれるべき人に好かれるコミュニケーションは可能」。そう語るのは、ファンベースカンパニー会長の佐藤尚之(さとなお)氏だ。電通カスタマーエクスペリエンス・クリエーティブ・センターのセンター長である並河進氏との対談後編では、生活者の「共感」や「企業の活動に出合う」ことから始まる消費行動モデルに話題が及んだ。 -
- 第3回
- 2022.09.12
キリンビバ、スシロー、吉野家… 矜持はどこに?マーケ炎上事件簿 2022年は年明けからマーケティングの信頼を揺るがす事件、不祥事が相次いだ。22年9月にもキリンビバレッジのジュースブランド「トロピカーナ」で景品表示法違反があった。目先の売り上げのための小細工が、「マーケティングとは消費者をそそのかして売りつけること」という悪印象になって消費者に浸透すれば、自分の首が絞まる。何のためのマーケティングなのか。マーケターとしての矜持が問われている。 -
- 第4回
- 2022.09.13
「おとり広告」に喝 スシロー親会社社外取締役、元ネスレ高岡氏 品切れにもかかわらずテレビCMなどで宣伝を続けていたとして、景品表示法違反(おとり広告)で措置命令を受けた回転すしチェーン大手「スシロー」。実は親会社のFOOD & LIFE COMPANIESで、元ネスレ日本社長兼CEO(最高経営責任者)の高岡浩三氏が社外取締役を務めている。おとり広告の背景に何があったのか、こうした出来事が繰り返されないためにはマーケターに何が求められているのか、語ってもらった。 -
- 第5回
- 2022.09.13
元P&G・音部氏が語るマーケの誤解 購入は「経由地点」にすぎない 手っ取り早く売り上げを稼ぐため、目先の利益を優先していないか。そんな疑問を投げかけるのは、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)で17年間ブランドマネジメントを経験し、資生堂ジャパンでCMO(最高マーケティング責任者)も務めたクー・マーケティング・カンパニー代表の音部大輔氏だ。ブランドマネジメントの観点でマーケターに求められる考え方とは。音部氏が語った。 -
- 第6回
- 2022.09.14
博報堂ケトル嶋氏 愛されるブランドの条件は「余白とエンパシー」 マスプラットフォームからSNSのようなコミュニティー型プラットフォームへと舞台が変わり、広告のあり方も変化している。また、社会の中での役割を考えることがブランドには求められるようになっている。博報堂執行役員・エグゼクティブクリエイティブディレクターで博報堂ケトル(東京・港)取締役・編集者の嶋浩一郎氏が考える、これからの時代に「愛されるブランド、愛される広告」とは。 -
- 第7回
- 2022.09.14
ありがとうと言われる広告のつくり方 北欧、暮らしの道具店直伝 月間200万人が訪れるECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、コンテンツ力やブランディング力を生かした企業マーケティング支援を展開している。手がけた広告プロモーションには、読者や視聴者から「ありがとう」といった声が届く。ナショナルブランドを中心に100社以上が導入する、生活者に「喜ばれる広告づくり」とは。 -
- 第8回
- 2022.09.15
「うざいリタゲ広告」撲滅 LINEMOの技あり広告で契約獲得8倍 ネットの「うざい広告」を逆手に取り、多くのユーザーに「もっと広告にまみれたい」と思わせた技ありのプロモーションがある。ソフトバンクのオンライン専用ブランド「LINEMO(ラインモ)」が2022年2~3月に実施した「#LINEMOでほんだまみれ」キャンペーンだ。参加者のPC、スマホ、Twitter上の広告がすべてタレントの本田翼さんのバナー広告に置き換わるという斬新な施策で、従来のキャンペーンの5倍のサイト流入、8倍の契約獲得へとつながった。 -
- 第9回
- 2022.09.15
STP分析は「アドバイザー」にすぎない マーケターは人間を見よ おとり広告や、ナンバーワン広告、ステルスマーケティングなど、マーケティングや広告への信頼が損なわれるような事案が頻発している。「人」を忘れた手法にのっとったものをマーケティングだと勘違いし、そうした事態を招く企業の姿勢に、マーケターの鹿毛康司氏は警鐘を鳴らす。 -
- 第10回
- 2022.09.16
2万4955字の長すぎる商品サイト公開 ヤッホー新製品の仰天販促 2万4955文字という“長すぎる”紹介ページが話題を集めた新製品がある。ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)が2022年8月に発売した低アルコール飲料「正気のサタン」だ。文字数もさることながら、製品名のボツ案や担当者の苦悩などまで完全公開しているのは斬新。きれいな言葉やおいしさをアピールすることだけが広告や販促の“正解”ではない。そこには顧客と真摯に向き合い、愛されるヤッホーのマーケ姿勢が表れている。 -
- 第11回
- 2022.09.16
撲滅「ダークパターン」 やってはいけない3つの手口 ユーザーを意図的にだます「ダークパターン」と呼ばれるWebサイト設計が横行している。2022年8月発売の新刊『ザ・ダークパターン』の著者でUXライターの仲野佑希氏に、ダークパターンが問題視される社会状況と、その具体的な手口、サイト運営体制のあり方について解説してもらった。 -
- 第12回
- 2022.09.20
マーケターは軍事用語をいつまで使うのか? 顧客は標的ではない 「標的」を意味する「ターゲット」、「キャンペーン」には「軍事行動」という意味があるなど、マーケティングで使われている言葉の中には軍事用語が非常に多い。広告の炎上やマーケティングに対する拒否反応が広がるなか、マーケターはこうした言葉を使い続けていていいのだろうか。産業能率大学経営学部でマーケティングや経営の授業を受け持つ小々馬敦教授と、電通デジタル(東京・港)執行役員の田中信哉氏が次世代のマーケティング用語について議論した。 -
- 第13回
- 2022.09.21
榮太樓總本鋪に届いたクレーム 全パッケージを変更した心意気 1818年創業の老舗和菓子メーカー榮太樓總本鋪(東京・中央、以下、榮太樓)。実は同社で商品リリースほか広報宣伝を手掛けるのは、広報の担当者ではない。商品の発案者だという。つくり手の熱量で顧客との距離をぐっと縮める、榮太樓流コミュニケーションとは。 -
- 第14回
- 2022.09.22
ピエトロはテレビCMをなぜやめたのか 工場動画にファンが歓喜 福岡市を拠点とする食品メーカーのピエトロは、2020年4月を最後にテレビCMなどのマス広告をやめ、自社のファン一人ひとりに向き合う「ファンベース経営」を打ち出している。自社を応援してくれるファンはどんな人か、何をしたら喜んでもらえるのか。地道な取り組みの中に、本来の「マーケティング」で求められる顧客と向き合う姿勢が見えてくる。