2022年9月2日発売の「日経トレンディ2022年10月号」 ▼Amazonで購入する では、「ずるい文章術」を特集。サイバーエージェントグループ内のAbema TVで、「ABEMA」の編成戦略を担当するのが稲富龍太郎氏だ。プレゼンの機会は多く、年間100回以上。分かりやすいスライド作りのコツは、「最低限伝えたいワードを先に決めてから、伝わりにくいと感じた部分の説明や資料を強化する」こと。インパクトのあるキーワードを強調することも一つの手だ。

※日経トレンディ2022年10月号より。詳しくは本誌参照

サイバーエージェントグループ内のAbema TVで、入社希望者向けの会社説明会で使われる資料の主な構成。随所にインパクトのあるキーワードをちりばめるスライドが使われる
サイバーエージェントグループ内のAbema TVで、入社希望者向けの会社説明会で使われる資料の主な構成。随所にインパクトのあるキーワードをちりばめるスライドが使われる

 広告、放送、ゲームなど、様々なネット関連事業を手掛けるサイバーエージェント。同グループ内のAbema TVで、番組の編成戦略を担当するのが稲富龍太郎氏だ。プレゼンの機会は多く、採用説明会やパートナー企業への説明など社外向けを加えると、年間100回以上は行うという。

 稲富氏は、社外向けプレゼンでは、少ない文字数にイメージやデータを加えたシンプルな構成のスライドを多用する。「社外の人にずっと集中して話を聞いていただけるとは限らないので、重要なキーワードをいくつか覚えてもらうことを目標にして資料を作る」(同)というのがその理由だ。

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 プレゼンを作る際に実践しているのが、鏡の前で何もない状態でストーリーを話してみること。話している最中に思いついた、「具体的な説明に入る前にABEMAの特徴を伝えた方がよさそう」「キーワードを説明するときに、このような資料を投写したい」といったアイデアをメモしておく。こうしたシミュレーションを1時間ほどすると、最低限スライドに落とし込むべきことが見えてくるという。

 「プレゼンが分かりにくい人の多くは、まず膨大な資料を用意して、それを時間に合わせて『引き算』してプレゼンをしているのではないか。そうではなく、まず最低限伝えたいワードを先に決めてから、伝わりにくいと感じた部分の説明や資料を強化する。その方が、最初に伝えたかったメッセージが整って良いプレゼンになると思う」(同)

 インパクトのあるキーワードを大きく強調したスライドを随所に挟み込むことも重要。例えばABEMA事業を「テレビの再発明」と表記したり、「FIFAワールドカップ カタール2022」の全試合無料生中継について「国民行事のインフラ担当」と表現したりする。「単純に理解できないワードを見せて、違和感を出すと『何それ?』と、話を聞いてくれる。その直後に、素直に説明する分かりやすいスライドを入れるのがコツ。こういう流れをつくると、インパクトと納得感を同時に与えられる」(同)

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