2022年9月2日発売の「日経トレンディ2022年10月号」 ▼Amazonで購入する では、「ずるい文章術」を特集。プレゼンテーションクリエイターの前田鎌利氏は「社内で実施するプレゼンで、成否を決めるのは『資料が9割』」と言う。分かりやすくするには、そのスライドで最も訴えたい「キーメッセージ」を入れるのが大原則。前田氏が見出した、一発承認される資料の法則を紹介する。
※日経トレンディ2022年10月号より。詳しくは本誌参照
人前で話すのが不得意でプレゼンに苦手意識を持っている人は多いだろうが、それは上手な資料作りでカバーできる。1000社以上の企業でプレゼン技法を教えてきた、プレゼンテーションクリエイターの前田鎌利氏は「社内で実施するプレゼンで、成否を決めるのは『資料が9割』」と言う。前田氏は、ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)勤務時代に、孫正義社長の決裁を仰ぐ3〜5分のプレゼンを数多く経験。そこから前田氏が見いだした「一発承認される資料」の法則は、シンプルでロジカル(論理的)であることだ。
プレゼン初心者が作りがちなのが、官公庁の資料のような、詰め込み過ぎて、何が言いたいのか一目では分からないスライド。これでは、相手が文章やグラフを読むのに集中して、話を聞いてくれない。プレゼンのスライドには、書かれた内容が一瞬で分かるシンプルさが求められる。一方で、人気講演会「TED」のスライドのように奇抜な図解を作るのはハードルが高く、ある程度の話術も必要になる。
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分かりやすくするには、そのスライドで最も訴えたい「キーメッセージ」を入れるのが大原則。このキーメッセージは「読ませるのではなく、見せるもの。パッと見た瞬間に決裁者の頭に意味が入るようにする」(前田氏)。ポイントはなるべく文字数を減らすことだ。人間が直感的に知覚できる文字数といわれる13文字以内を目指すとよい。
13文字以下にするコツは、主語・述語のある文章にしないこと。ひらがなの助詞や副詞を減らして体言止めを意識すれば、自然にコンパクトになる。「今月も」「見込まれる」といった付随的な表現も、口頭で説明できるなら省略。一方で、インパクトのある数字はできるだけ残す。例えば、「販売数激増」の方が短いが、より印象に残るのは「販売数250%増」のように具体的な数字が入ったメッセージだからだ。そのうえで、フォントサイズを「70」ポイント以上にし、「HGP創英角ゴシックUB」や「メイリオ」など太めのゴシック系フォントを使うとよい。
さらにシンプルにするには、文字やグラフなどで使う色数を減らし、どこがポイントかを明確にする。前田氏のお勧めは、「信号」を参考にした配色パターンの導入だ。通常の文字は黒やグレーにして、ポジティブなキーワードや数字は青系、ネガティブな文言は赤系の文字にすると分かりやすい。
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