2022年9月2日発売の「日経トレンディ2022年10月号」 ▼Amazonで購入する では、「ずるい文章術」を特集。伝わる文章を書くのに、高度なテクニックは必要ない。まずは自由に書けばよく、重要なのはその後だ。ポイントは「書く」より「消す」こと。「言葉ダイエット」を提唱する電通 コピーライターの橋口幸生氏に、文章を劇的に改善する方法を聞いた。

※日経トレンディ2022年10月号より。詳しくは本誌参照

ポイントは「書く」より「消す」。推敲を工夫するだけで読みやすい文章になる
ポイントは「書く」より「消す」。推敲を工夫するだけで読みやすい文章になる

 どんなビジネス文書にも共通する、伝わる文章が書ける“最強の掟”がある。一文をできるだけ短くする。これだけで誰が書く文章も劇的に改善する。

 高度なテクニックは必要ない。書き始めから悩まず、まずは自由に書けばいい。重要なのはその後だ。「言葉ダイエット」を提唱する電通 コピーライターの橋口幸生氏は、「ポイントは『書く』より『消す』。推敲を工夫するだけで読みやすい文章になる。文章を書く能力は関係ない」と言う。

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 目標は、1文を40~60文字以内にすること。いくつかのテクニックを覚えておけば、簡単に達成できる。

 大前提として、一文では一つの内容しか盛り込まない。悪い例は、「達成したいのは○○という目標で(1)、これは○○という課題をクリアする必要があり(2)、これができると○○になる(3)」といった文章。一文で、1~3の3つの内容が盛り込まれている。これを「目標は○○(1)。クリアするためには○○が課題(2)。その結果○○になる(3)」と整理すると、文章はグッと読みやすくなる。

 悪い例のような文章は多くの場合、「その」「この」という言葉や、接続語が多い。「『こそあど言葉』の連発は、読み手に幼稚な印象を与える」(同)。一文一意とあわせて覚えておくとよい。また、例文の2のように途中で体言止めを挟むと、接続語を使わずに文章がつながる。文にリズムも生まれやすい。

 次のステップとして、文章を長くする言葉を探して“ぜい肉”を削っていく。まず自社の商品やサービスをアピールしようとして、「次世代のイノベーションを実現した圧倒的に使いやすい○○を発売します」といったように、必要以上に修飾語を使っていないだろうか。これも文章が長くなる要因になる。そもそも、「『洗練された~』などの誇張する修飾語は大抵、書き手と読み手で解釈が異なる。具体的なイメージも伝わらないので、ビジネスでは百害あって一利なし」(同)。

 なお、過剰にアピールしようとするとカタカナ語が頻出しがち。その表現が本当に必要なのか、カタカナ語が出てくるたびに吟味するとよい。

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