2022年9月2日発売の「日経トレンディ2022年10月号」 ▼Amazonで購入する では、「ずるい文章術」を特集。近年はテレワークの導入が進み、テキストだけで何かを伝える機会が増加して、文章力の重要性がますます高まっている。ビジネスで書く文書の目的は情報を過不足なく、読みやすく伝えること。まず2つのポイントを押さえるだけで格段に向上する。“手抜き”こそ最強だ。
※日経トレンディ2022年10月号より。詳しくは本誌参照
オフィスワーカーとして働く以上、文章を書くという行為からは逃れられない。文章力に苦手意識を持っているとすれば、退職まで付きまとうのだから実に恐ろしい。近年はテレワークの導入が進んだことで、テキストだけで何かを伝える機会も増加。文章力の重要性がますます高まっている。
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上司の84.5%が部下の文章に不満
驚くべきデータもある。日本漢字能力検定協会の調査によれば、上司の約85%が、部下の文章にストレスを感じているというのだ。
しかし、心配は無用だ。とりわけ、ビジネスで書く文書の目的は情報を過不足なく、読みやすく伝えること。つまり、名文を書く才能は必要ない。ビジネスにおける文章力は、まず2つのポイントを押さえるだけで格段に向上する。“手抜き”こそ最強だ。
文章の書き始めに実践するのが、構成の「型」を意識すること。といっても、まずは「結論」「説明」「補足」と重要なことから順に書く「逆三角形型」だけ覚える。これで大抵のビジネス文書はうまく書ける。後は型に沿って必要な情報を書くだけ。「文章のプロの多くが『型』の大切さに言及していた、共通のルール」。『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)著者の藤𠮷豊氏はこう語る。
整った文章を書こうとして筆が進まない人は、一度自由に書き切ってしまえばいい。構成さえ読みやすくなっていれば、言葉遣いや言い回しのあらは推敲でいくらでもカバーできる。
推敲時のポイントは「言葉ダイエット」に学ぶ。これを提唱する電通 コピーライターの橋口幸生氏は、「重要なのは『書く』より『消す』」と言う。
推敲の極意は、1文を40~60文字以内に収めること。実はこれも簡単。「修飾語を削る」「繰り返し言葉を削る」などいくつかのポイントに沿って、文章に手を加えるだけだ。
基礎を押さえたら、後は目的に応じた型を“狙い撃ち”して、ふさわしい文章にしていけばいい。企画書はプレスリリース形式で書くと説得力が増す。チャットなら前置きを削る。日経トレンディ2022年10月号24ページ以降では、目的別にまねできるテンプレートをまとめている。
文書力を上げるとテレワーク効率もアップ
文章力を上げれば、資料作成やメールに充てる時間が減るので、仕事の効率は大きく改善する。それ以外にもあらゆる副次的な効果がある。
文章が得意/やや得意な人は過半数がテレワークの導入で仕事効率が上がったと回答している。一方、苦手/やや苦手な人は約3割にとどまる。文章だけで何かを伝える機会が増えるため、文章力は仕事効率に直結する。
今は対面せず、チャットやメールだけでコミュニケーションが完結することも少なくない。人柄が文章だけで判断される時代だ。逆に言えば、正しい文章コミュニケーションのコツを押さえておくだけで、厚い信頼を得られる。
企画やプレゼンが次々通れば、実力が認められ、出世スピードが速くなるかもしれない。転職でも書類で自分の経歴をアピールできれば良い結果につながる。文章力は収入アップの武器にもなり得るのだ。
実は、ここまでの文章はすべて1文が50文字以内で書かれている。 「読みやすい」と感じた人は、本書でこうした文章を書くためのテクニックをまとめたので必読。それを参考に、ビシッと伝わる文章を書くスキルを身に付けてほしい。
「型」を変えて狙い撃て!
企画書
従来のテンプレートを抜本見直し
“堅物上司”の首を縦に振らせるためには、プレスリリースとFAQ形式の企画書が武器になる。企画を通した後のイメージが鮮明に浮かぶため、変化に抵抗のある人にもメリットを伝え切りやすい。A4 1枚などコンパクトにまとめることも重要だ。
チャット&メール
ムダなく、漏れなく業務効率化
チャットはラフなコミュニケーションの場。自己紹介や挨拶といった堅苦しい文章は排除。「サンドイッチ話法」など、相手に不快な印象を与えない工夫が必要。メールは一度ですべての情報を伝えるようにし、ムダなやり取りを減らす。
プレゼン資料
一番伝えたいことは「13文字」で
見栄えの良いプレゼン資料は半面、散漫になるリスクも。最も伝えたい内容は13文字以内のキーメッセージにまとめて強調。必要に応じて補足を加えるのがベストで、実は文章力で成否が分かれる。社内外向けの使い分けも重要。
SNS
写真より文章でバズらせる
SNSの中では炎上のリスクが比較的低く、新しいファン獲得の場としても最適なInstagramを主戦場に選ぶ。シェアしたくなるツボを押さえた表現や、コミュニケーションを活発にする工夫など、文章が戦略の柱になる。
自己PR
2つの「黄金パターン」を駆使
即戦力性を訴える必要がある40代からの転職は、自己PRなどでは具体的なエピソードを、実績などの数字と共に書くことが重要。逆境をどう乗り越えたかも伝えられれば武器になる。
(イラスト/千野エー)
●伝わる文章のカギは「短文」誰でもできる“言葉ダイエット”の法則
●PART1 企画書編
脱・重厚長大「プレスリリース形式」で書けば説得力が劇的向上
●PART2 チャット編
脱・メール構文「一文一義」「挨拶不要」が業績アップにつながる!?
●PART3 プレゼン資料編
脱・官公庁パワポ資料 一瞬で伝わる秘訣は「13文字以内」
●PART4 SNS編
脱・Web1.0型発信 コアファンをつくる「共感」の生み方
●PART5 転職応募書類編
脱・書類選考落ち 40代からは「即戦力性」がカギ
●先進企業に学ぶビジネス文書の社内ルール
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