ファミリーマートの店舗集客大作戦 第4回

「そろそろ、No.1を入れ替えよう。」「ファミチキ越えの問題児」……キャッチーなキーワードが踊り、ヒット商品を連発するなど話題が尽きないファミリーマート。そのマーケティングをけん引するのが、同社初のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を務める足立光氏だ。日本マクドナルドの再躍進などを引っ張ってきたプロマーケターである足立氏は、就任2年で何をどのように変えてきたのか、直撃した。

ファミリーマートの足立光CMOに、参画から約2年間にやったこと、やりきれなかったこと、変えたこと、変えなかったことなど、疑問をぶつけた。足立氏は、P&Gジャパン、戦略コンサルティングファーム、ドイツのヘンケルグループに属するシュワルツコフ ヘンケルなどを経て、ワールド執行役員国際本部長、日本マクドナルド上席執行役員マーケティング本部長などを歴任。2020年10月から現職
ファミリーマートの足立光CMOに、参画から約2年間にやったこと、やりきれなかったこと、変えたこと、変えなかったことなど、疑問をぶつけた。足立氏は、P&Gジャパン、戦略コンサルティングファーム、ドイツのヘンケルグループに属するシュワルツコフ ヘンケルなどを経て、ワールド執行役員国際本部長、日本マクドナルド上席執行役員マーケティング本部長などを歴任。2020年10月から現職

 快進撃を続けるファミリーマート。その立役者であり、またファミマのマーケ改革を推し進めるのが、足立光氏だ。2020年10月に同社初のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)に就任。以前は販促的な役割のみを担っていたマーケティング部をマーケティング本部へと刷新し、商品企画や営業部門などとも連動をしながら全社のマーケティング戦略を大きく進展させてきた。

 22年2月期決算によると、21年3月から22年2月までの期間、大雨の影響を受けた21年8月を除いて既存店売上高が前年同月比を上回る好調さを維持。通年でも既存店売上高は前年比103.3%となり、同100.7%のセブンイレブンや同101.1%のローソンをしのぐ勢いを見せる。また、ヒット商品も連発。同社の創立40周年を記念したプロジェクト「40のいいこと!?」の第1弾として投入した「クリスピーチキン」は、2日で200万食を突破し、定番中の定番であるファミチキ超えの記録を打ち立てた。パンやスイーツでもヒットが続々と生まれ、マーケティング施策の変革が、売り上げにつながっていることが分かる。

話題性だけではなく、「クリスピーチキン」などヒット商品が続々と誕生し、売り上げにも結びついている
話題性だけではなく、「クリスピーチキン」などヒット商品が続々と誕生し、売り上げにも結びついている

 では、足立氏は、同社のマーケティングをどう変えたのか――。

新商品頼みからの脱却を目指す

 まず、大きく変えたのが、「新商品に重きを置いたやり方から脱却すること」(足立氏)。小売業態、特にコンビニが陥りがちな新商品頼みの販売戦略から脱し、定番を強化することに重点を置いたのだ。

 「定番の比率が高ければ高いほど、収益性は高くなる。さらに、ファンが付いて売り上げがブレにくくなることでサプライチェーンが安定し、欠品しにくくなる。そうして、買いたいときに買いたいものがちゃんとある状態になり、お客様が手に入れられなくてがっかりする機会が減る。定番を強くすることは、お客様にとっても店舗にとってもいいことずくめ」。足立氏は定番強化の理由をこう説明する。

 小売店が新商品を矢継ぎ早にそして大量に出す理由は、それがニュースとなり、客を呼び寄せると期待するからだろう。だが、実際のところ、「新商品を大量に出しても、力を入れて発信できるものはごく一部。結局のところ、ニュースになっていないものがほとんどだった」と足立氏。そこで、新商品に傾倒しすぎず、定番を強化し、さらには定番をニュースにしていく方針を打ち出した。足立氏は、CMOへの就任直後だった2年ほど前には、既に商品部へ定番強化の方針を説明して合意を得て、愚直に履行してきたのだ。

ただの“定番パン”が売れ筋に化ける

 一口に「定番強化」といっても、大きく2つの方法がある。

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