※日経エンタテインメント! 2022年8月号の記事を再構成

今活躍する20代の俳優はどんな顔ぶれか、そしてそれに続く期待の若手は誰か。まずここでは、多くの主演級俳優を擁する所属事務所別に見ていく。20代を前半(20~22歳)・半ば(23~25歳)・後半(26~29歳)の3つの年齢で分け、主な俳優を各事務所3人まで表記している。

 縦軸で事務所別に見ると、主演級が多数ひしめく年齢層や、層の薄い空白の世代などを知ることができる。

( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢
[画像のクリックで拡大表示]
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢
[画像のクリックで拡大表示]
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢
[画像のクリックで拡大表示]
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢 ※注1…ホリプロデジタルエンターテインメント所属 ※注2…研修生
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢 ※注1…ホリプロデジタルエンターテインメント所属 ※注2…研修生
[画像のクリックで拡大表示]
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢
[画像のクリックで拡大表示]

 一方、表を横軸で見ると、ライバルがひしめいて激戦の年齢層や、その年代で主演級の男優を輩出している事務所が分かる。

( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢 ※注1…ホリプロデジタルエンターテインメント所属 ※注2…研修生
( )内の数字は2022年7月4日現在の年齢 ※注1…ホリプロデジタルエンターテインメント所属 ※注2…研修生
[画像のクリックで拡大表示]

 長年所属していた佐藤健と来年度NHK朝ドラ主演も決まっている神木隆之介(29)が、のれん分けの形で新会社「Co-LaVo」に昨年移籍したアミューズ。しかし、2人の独立後も所属男優の層は厚い。同社所属の20代男優は計18名(公式サイトより)で、決して驚くほど多くはないが、その中から昨年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の吉沢亮(28)、ドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』の細田佳央太(20)など、順調に主演級男優が生まれている。

 所属女優の吉岡里帆や松本まりかが活躍を見せるエーチームグループ(系列のエー・プラス、エーライツを含む)では、19年の『左利きのエレン』以降、神尾楓珠(23)が主演を重ねる。さらに高橋文哉(21)が『最愛』『悪女』などで注目を集め、男優シーンでも勢いに乗る。

 福士蒼汰(29)、竜星涼(29)、杉咲花、次期作のヒロインの福原遥などNHK朝ドラで活躍する俳優が多い研音。次世代男優の注目株は、7月期ドラマ『テッパチ!』(フジ系)に出演する一ノ瀬颯(25)、公開中の『極主夫道 ザ・シネマ』に出演した中川大輔(24)[※記事「中川大輔 キーマン役で存在感、現在は“お子ちゃま彼氏”を好演中」参照]で、ともに20代半ばだ。

 ジャニーズ事務所の所属で存在感を増しているのが「なにわ男子」のメンバー。4月期は7月25日で20歳になる道枝駿佑が『金田一少年の事件簿』で主演、7月期は20代前半の大西流星(20)が『彼女、お借りします』(テレ朝系)、大橋和也(24)は『消しゴムをくれた女子を好きになった。』(日テレ系)でともに主演する。

20代後半でのブレイクも

 スターダストプロモーションは、岡田将生、窪田正孝、濱田岳、林遣都、柳楽優弥ら、ここ数年のドラマ・映画をけん引してきた所属男優が30代になったが、次世代の育成もぬかりない。特に20代半ばの層が厚く、横浜流星(25)、北村匠海(24)、中川大志(24)、佐野勇斗(24)らが主演級に成長。北村や佐野のほか、今夏の『みなと商事コインランドリー』(テレ東系)で連ドラ初主演する超特急の草川拓弥(27)のように、音楽活動と並行して活躍する俳優が多いのも特徴だ。

 二階堂ふみ、土屋太鳳、黒島結菜らの女優やM-1グランプリ王者の錦鯉らお笑い部門の活躍で注目の事務所に浮上したソニー・ミュージックアーティスツで、主演級として活躍するのは成田凌(28)。20代前半の若手ではドラマ『未来への10カウント』で好演した櫻井海音(21)[※記事「櫻井海音 テレビドラマへの出演が続く注目株が初の舞台に挑戦」参照]らが期待を集める。

 中村倫也、松坂桃李らを擁するトップコートは、20代後半で菅田将暉(29)に加えて、杉野遥亮(26)が昨秋のドラマ『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』で注目を集め、今夏は『ユニコーンに乗って』にメインキャストの1人として出演する[※記事「杉野遥亮 結果は欲しいけど、真ん中の部分を忘れちゃいけない」参照]。20代半ばでは4月期ドラマ『探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~』にもレギュラー出演した萩原利久(23)が注目の男優に躍進。プロサッカー選手・三浦知良を父に持つ三浦獠太(24)も所属する。

 小栗旬、田中圭、綾野剛、坂口健太郎の活躍で本格派の男優が並び立つ事務所として知られるトライストーン・エンタテイメントは、20代後半で間宮祥太朗(29)と赤楚衛二(28)が主演級に成長した。

 ホリプロは妻夫木聡、松山ケンイチ、綾瀬はるか、石原さとみなど男女ともに主力俳優が30代に多く、竹内涼真(29)も来年4月で30歳となる。次を担う20代男優では、NHKドラマ『卒業タイムリミット』で主演した井上祐貴(26)、スーパー戦隊シリーズ最新作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』主演の樋口幸平(21)らが控える。

 ユマニテは女優では安藤サクラ、門脇麦、岸井ゆきの、蒔田彩珠、三浦透子らが所属する少数精鋭の演技派俳優事務所。20代半ば世代の所属男優がいなかったが、佐藤浩市の子息で、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも出演中の寛一郎(25)が今年4月から正式所属となった。

 最近は俳優の所属事務所移籍・独立が活発化している。今後は、層が薄くなっている年代をオーディションやスカウトだけでなく、即戦力となる移籍によって補強するケースも増えそうだ。

【20~22歳】連ドラ初主演する男優が続々と登場
 この世代には今年1月期の『もしも、イケメンだけの高校があったら』で連ドラ初主演した細田佳央太、『夢中さ、きみに。』で初単独主演した大西流星(なにわ男子)、4月期の『カナカナ』で地上波連ドラ初主演した眞栄田郷敦、『クロステイル ~探偵教室~』でドラマ初単独主演した鈴鹿央士など、この1年で主演級に成長した次世代男優が多い。

 10月期の『君の花になる』(TBS系)で主演の本田翼の相手役を演じる高橋文哉、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』に出演した青木柚[※記事「青木柚 朝ドラのヒロインの弟役で注目。若者の“もろさ”の演技に定評」参照]、7月期の『量産型リコ』(テレ東系)に出演する望月歩[※記事「望月歩 妖怪・ホスト・閣僚と異なる役を次々演じる若手実力派」参照]ら、次世代の主演候補がこれに続く。加藤清史郎濱田龍臣など子役出身男優も活躍している。
【23~25歳】個性的な存在感を持つ男優が目立つ
 横浜流星平野紫耀(King & Prince)、北村匠海、今春のNHKドラマ『17才の帝国』で主演した神尾楓珠、7月期連ドラ『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(読売/日テレ系)で明智光秀役を演じた萩原利久など、個性的な存在感で注目を集めている主演級男優が多い世代。

 朝ドラ『おかえりモネ』でヒロインの同僚の気象予報士役を好演した清水尋也、7月期のドラマ『魔法のリノベ』(カンテレ/フジ系)に出演の吉野北人(THE RAMPAGE)も注目度が上昇中。10月期連ドラ『壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている』(ABC)では、ともにこの世代の松岡広大中尾暢樹がW主演する。
【26~29歳】実力派と急成長の逸材が混在する世代
 菅田将暉神木隆之介吉沢亮成田凌など主演級男優としておなじみの面々の名前が並ぶ充実の世代。7月期は竹内涼真がドラマ『六本木クラス』(テレ朝系)で主演。『チェリまほ』の主演で脚光を浴び今年後期の朝ドラ『舞いあがれ!』でヒロインの幼なじみを演じる赤楚衛二、来年のNHK大河ドラマ『どうする家康』にも出演する杉野遥亮、朝ドラ『ちむどんどん』に出演中の宮沢氷魚など、20代後半に入ってから急上昇を見せた男優も少なくない。

 また、この世代の特徴として岡山天音森永悠希仲野太賀磯村勇斗ら、ドラマに欠かせないバイプレーヤーとして活躍しながら主演もできる演技派が目立つ点も挙げられる。