UGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ=ユーザー生成コンテンツ)を単にマーケティングに取り入れるだけでは効果は限定的だ。広告クリエイティブやWebサイトと同様に、継続的な最適化のための運用を実施する「運用型UGC」という概念が重要になる。連載第2回では、実際に運用型UGCを実践するうえでの具体的な5つのステップを解説する。

(写真/Shutterstock)
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 UGCを活用して、広告効果などが改善したとしても安心してはいけない。UGCも広告同様に時間経過や活用量に応じて、効果が徐々に下がってしまうからだ。また、広告クリエイティブを配信対象に合わせて変えるように、すべての顧客接点で一律に同じUGCを表示させても同じ改善効果が出るわけではない。

 この課題を解決する手段が「運用型UGC」である。媒体、訴求軸、対象層に合わせて複数のUGCを用意し、成果最大化に向けて運用しながら活用する方法だ。運用型UGCを実行する際に重要なことは、UGCの生成、効果測定、改善の施策全体フローの設計となる。

 第1回でも説明したが、UGCには2つの課題が存在する。

(1)長期活用による効率低下
(2)訴求・対象層との不一致

 特に「(2)訴求・対象層との不一致」は着目されることが少ない。例えば、初めてブランドと接点を持った見込み客に参考になるクチコミは、「多くの人が使って満足している感」が王道だが、何度もサイトを訪問して購入の検討段階に入った層には「自分と同じ課題感を持った人がどのように使用しているのか」といった、具体的な使用法に関するクチコミを必要としていることが多い。従って、UGCをひとくくりにして活用してしまうと、出るべき効果も出ないのである。

 そこで大切になるのが、多くのUGCを確保し続けることと、訴求軸や対象層に適したUGCの生成を並行することだ。順に5つのステップを説明する。

 UGC活用の成果を最大化するうえで、最も重要なステップが「(1)UGC訴求方針の策定」だ。サイトに訪問する顧客層に応じて求められるUGCの内容が異なることから、活用するチャネルごとにUGCのパターンを決める必要がある。

UGC訴求方針を策定するフレームワーク

 下図はUGC訴求方針の策定のフレームワークだ。広告媒体と広告クリエイティブで訴求しているメッセージを分類し、そのメッセージに合わせたUGC訴求を策定すると有効なプランがつくりやすい。例えば、写真で見た目のおいしさを訴求した料理の広告クリエイティブからは、細かい商品機能は知らずに見た目で判断してサイトに流入している新規層が多いと仮定する。よって、「おいしい、かつおトクに試せるなら試したい」と思わせるために、UGCでは基本的な商品機能とおいしさの訴求を担保するといった具合だ。

既存の広告で訴求しているメッセージを分類し、採用すべきUGCを決めるフレームワーク。FB/IGはFacebook/Instagram、GYディスプレイはグーグルとヤフーのディスプレイ広告を意味する
既存の広告で訴求しているメッセージを分類し、採用すべきUGCを決めるフレームワーク。FB/IGはFacebook/Instagram、GYディスプレイはグーグルとヤフーのディスプレイ広告を意味する

 UGC訴求方針が固まったら、次に各訴求に応じて「(2)UGCの投稿状況を明らかにする」。現存するUGCで全ての訴求ポイントを網羅できている状況が理想ではあるが、ほとんどの企業においては十分にそろっていることはなく、不足分を埋めるためのUGC生成策が必要となる。

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