SNS動画を投稿するクリエーターの創作意欲をくすぐるアプリ「ペアポップ」が急成長中だ。企業とクリエーターをマッチングするアプリで、企業が募集する広告案件にふさわしい動画を作成して成果を出せば、クリエーターは報酬を受け取れる。ネットフリックスやアマゾンなどの他、有名アーティストもマーケティング活動に利用している。一方のクリエーターは現在20万人以上で、一般人に交じってセレブも動画制作に参加しているという。

※日経トレンディ2023年4月号より

企業の動画広告を作成できるばかりか、成果を上げれば収益につながる点が一般クリエーターを魅了している。投稿先はティックトック、インスタグラム、ツイッターの3つだ
企業の動画広告を作成できるばかりか、成果を上げれば収益につながる点が一般クリエーターを魅了している。投稿先はティックトック、インスタグラム、ツイッターの3つだ

ブランド“宣伝”アプリ【米国発】Pearpop

大企業と一般クリエーターをつなぐ動画広告案件のプラットフォーム

 日ごろ鍛えた動画制作の腕前を、世界的企業のマーケティングで発揮できる——。SNS動画を投稿するクリエーターの創作意欲をくすぐるアプリが急成長中だ。2021年に生まれた「Pearpop(ペアポップ)」は、企業とクリエーターをマッチングするアプリ。企業が募集する広告案件にふさわしい動画を作成して成果を出せば、クリエーターは報酬を受け取れる。

 クリエーターは、まず、ファッションや飲食メニューなどテーマを選択。「チャレンジ」と呼ばれる広告案件が表示されるので、新商品の宣伝などといった企業の狙いを把握し、動画コンテンツを実際に企画・制作する。例えば、メキシコ料理のファストフード店「チポトレ」の新メニュー「ウオーターメロン・ライムエード」のチャレンジに応募する場合は、同店でこのドリンクを買い求めて購買層の心に刺さる動画を撮影するというのが一般的な流れだ。

利用する一般クリエーターはそれぞれの動画広告案件を見て、挑戦するものを選ぶ。他に、セレブのクリエーターに料金を支払って投稿にコメントしてもらう機能もあり、自分のフォロワー数を増やすことも可能だという
利用する一般クリエーターはそれぞれの動画広告案件を見て、挑戦するものを選ぶ。他に、セレブのクリエーターに料金を支払って投稿にコメントしてもらう機能もあり、自分のフォロワー数を増やすことも可能だという

 動画はクリエーターが使っているSNSに投稿。ビューの数が事前に設定されている水準に達すると報酬を受け取れるようになり、金額は数などに応じて決まる仕組みだ。ビューの数が水準に達しない場合は報酬を受け取れないが、ペナルティーが発生するわけではなく、参加費用もないので大きなデメリットはない。1人当たりの報酬には上限があるものの、動画の投稿は企業の予算枠を使い切るまで可能。大手の場合は10万ドル以上のケースが多く、中堅企業やベンチャー、あるいは独立系アーティストの場合は1000ドル程度もあるなど予算の幅は広い。予算が小規模の場合は3〜5日の速さで予算に達するといい、スピーディーな拡散力もブランド側に好評だ。

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