米国では、アパレルの過剰生産問題の解決に向けて取り組むスタートアップ「レッドスレッド」が支持を集めている。提供するのは婦人服のカスタムメードサービスだ。利用者が服の採寸を行うため廃棄が発生せず、さらに送られてきた服が気に入らなかったり、太ったり痩せたりしてサイズが合わなくなったりした場合、服を補正して対応する。今後は消費者からの要望に応えてデザイン数を増やしていく予定だ。
※日経トレンディ2023年2月号より。詳しくは本誌参照
お直し永久保証付きアパレル【米国発】RedThread
無料で補正するカスタムメード服 アパレルの過剰生産問題を解決
近年、売れ残ったアパレルの大量廃棄を問題視する流れは強まる一方だ。今から約1年前の2022年1月には、フランスで売れ残りの衣類を企業が廃棄することを禁止する「衣服廃棄禁止令」が施行された。ここ米国ではアパレルの課題解決に取り組むスタートアップ「レッドスレッド」が支持を集めている。
18年に創業し、ネバダ州に本社を構えるレッドスレッドが提供しているのは、婦人服のカスタムメードサービスだ。利用者の体形にぴったりの服の採寸は、自宅で簡単にできる。ブランドは様々な体形に合わせて豊富なサイズを用意する必要がなくなるので、廃棄は発生しない。
利用者は同社のサイトから欲しいアイテムの色やポケットの有無などを選んで注文。測定用のリンクが送られてくるので、アクセスしてスマホのカメラで身体をスキャンする。測定値を基にして作られる服は、約1週間で完成。この測定にはAI(人工知能)のアルゴリズムをベースにした最新の3Dスキャンテクノロジーが使われていて精度が高いという。
ただし、大量廃棄問題を解決するレッドスレッドのさらに驚く仕掛けはここからだ。「ライフタイムフィット保証」というサービスを無料で提供。送られてきた服が気に入らなかったり、太ったり痩せたりしてサイズが合わなくなったりした場合、服を補正して対応するのだ。妊娠するなどして、腹周りだけが極端に大きくなった場合にも応じる。この手厚いアフターサービスは、驚くことに永久保証だという。CEO(最高経営責任者)のメーガン・リッチフィールド氏は「当社の製品は長く着られるので、ごみになりにくい」と自信を見せる。
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