店そのものを呼び寄せる新業態「ストア・ヘイリング(store-hailing)」が米国で話題だ。最短2分を切る速さで箱型トラック(バン)を呼び、利用者の家の前に着いたらアプリに通知される仕組み。現在は、消費者がメリットを感じやすいアイスクリームに絞っている。海外展開を視野に入れていて、日本やドバイ(UAE)、オーストリアの企業が既に興味を示している。
※日経トレンディ2023年1月号より
店舗呼び寄せサービス【米国発】Conjure
最短2分を切る速さで“店”が自宅に まずは溶けやすいアイスから
店そのものを呼び寄せる新業態「ストア・ヘイリング(store-hailing)」が米国で話題だ。2022年11月中旬、スタートアップの「コンジャー」が米ウエストロサンゼルスでアイスクリームを扱い始めた。
スマホアプリでコンジャーの箱型トラック(バン)を呼び、利用者の家の前に着いたらアプリに通知される仕組みになっている。バンのドアのロックはアプリで解除し、車内にあるアイスクリームから買いたいものを取り出してドアを閉めればいい。専用アプリでアカウント登録する際にクレジットカード番号の入力を済ませているので、ドアを閉めた瞬間に、取り出したアイスクリームの販売金額がクレジットカードに課金されて買い物は終了だ。
この課金額は、ドアを開ける前後の在庫の違いで算出する。2〜5ドルの呼び寄せ手数料がかかり、いくつかのファクターを考慮したアルゴリズムをベースにして決まる。なお、商品価格そのものはコンビニより安い。今後の成長性を期待され、サプライヤーからいい条件で仕入れられるのだという。バンを運転するドライバーと接触する機会はなく、将来は自動運転も視野に入れる。
実は、コンジャーはこのサービス開始前に同じハリウッドエリアで「ロボマート」という名称のベータテストを実施し、スナック菓子や医薬品・日用品などを販売していた。そのテストでは、利用者がアプリでバンを呼んでから商品を買うまでにかかった時間は平均9分、最短で1分51秒だった。客層はビジネスパーソンから高齢者までと幅広く、彼らの利用頻度は週平均2.3回、利用回数の90%がリピート購入と確かな手応えをつかんだという。
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