2022年8月4日発売の「日経トレンディ2022年9月号」 ▼Amazonで購入する では、「得するスゴ技 クレカ・投資・マイル」を特集。全日本空輸と日本航空の2強が国際線でのマイレージプログラムを始めてから、「マイラー」は着実に増えてきた。2023年4月にはJAL国内の特典航空券の制度改定があり、マイルの使い方にも変化の兆しがある。コロナ後のマイル新常識を4つ紹介する。

※日経トレンディ2022年9月号より。詳しくは本誌参照

全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)のマイル新常識を紹介
全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)のマイル新常識を紹介

 1993年に全日本空輸(以下ANA)と日本航空(以下JAL)の2強が国際線でのマイレージプログラムを始めてから間もなく30年が経過する。その間、行き先や座席種別によっては1マイル=3円以上になる特典航空券を狙う「マイラー」は着実に増えてきた。

 マイルをためるのに欠かせないクレカであるANAカードやJALカードも着々と進化。2000年代には、交通系IC決済と連係する「JALカードSuica」が05年に登場するなど、買い物だけでなく鉄道での移動でもマイルがたまる道が開いた。

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 また、12年にANAカードの一員として「ANA To Me CARD PASMO JCB」(ソラチカ一般カード)が登場すると、「ポイント交換」によるマイル獲得も注目されるようになった。同カードがあれば、他社の様々なポイントをメトロポイントに集約して、90%の高い交換比率(レート)で、ANAマイルに交換できたからだ。これにより、「ポイントサイト」でのキャンペーン参加やアンケート回答など「ポイ活」でマイルを獲得する人が増えた。しかし18年ごろから、クレカ各社がこのような高いレートでの交換を不可能にする改悪を次々に実施。現在の交換レートは高くても70%ほどで、以前よりはポイ活によるマイル獲得はうまみが減った。

 その一方でANA、JALの2社が充実させてきたのが、利用時にマイルがたまる独自サービスだ。例えば16年には、ANAがふるさと納税の寄付金額に応じてマイルがたまる「ANAのふるさと納税」を開始。20年にはJALでも同様のサービスが始まった。最近の注目は電力サービス。「ANAでんき」(21年7月開始)、「JALでんき」(22年4月開始)に切り替えるだけで、年間1000マイル以上たまる。この他にも、徒歩などの移動でマイルがたまるアプリや、外貨預金でマイルがたまる金融サービスなどを両社が導入している。新型コロナ禍によりフライトマイルをためる機会が減った近年は、これらのサービスの重要度が上昇。「マイル経済圏」に成長しつつある。

JAL、ANA進化の歴史

■JAL

1996年
・11月 マイレージプログラムを「JALマイレージバンク」に改称

1997年
・4月 JALマイレージバンクで国内線のマイル積算を開始

2000年
・1月 「JMB FLY ONプログラム」導入

2003年
・4月 JALとJAS(日本エアシステム)がマイレージプログラムを統合

2007年
・4月 航空連合「ワンワールド」に加盟

2008年
・3月 「JMB WAON」カード発行。11月にはクレジットチャージサービス開始

【分岐点】ポイント集約による「陸マイラー」が活発化

2012年
・6月 マイルから「e JALポイント」への特典交換開始

2013年
・10月 20歳代向けの「JAL CLUB EST」発行開始

2016年
・12月 往復6000マイルで旅行できる「どこかにマイル」を開始

2020年
・4月 住信SBIネット銀行と提携し「JAL NEOBANK」をオープン
・6月 歩いてマイルがたまるアプリ「JAL Wellness & Travel」を開始
・11月 「JALふるさと納税」がスタート

■ANA

1997年
・4月 マイレージプログラムを「ANAマイレージクラブ」に改称。国内線にも導入開始

1998年
・4月 「プレミアムメンバーサービス」につながる「プラチナサービス」を開始

1999年
・10月 航空連合「スターアライアンス」加盟

【分岐点】ポイント集約による「陸マイラー」が活発化

2012年
・3月 「ソラチカ一般カード」(通称)が開始
・10月 eクーポンを「ANA SKYコイン」にリニューアル

2013年
・3月 生涯プログラム「ミリオンマイラープログラム」を開始

2016年
・4月 「ANAのふるさと納税」がスタート

2020年
・4月 ANAトラベラーズで、旅行代金に応じて付与される「ツアーマイル」を開始

2021年
・12月 移動マイレージアプリ「ANA Pocket」を開始

JALの特典航空券が大幅改定

 マイルの使い方も変化の兆しがある。JALマイラーの間で話題なのが、23年4月12日搭乗分以降に実施される、国内の特典航空券の制度改定だ。これまで自由だった予約変更ができなくなる代わりに、特典航空券が取りにくかった便もマイルを追加すれば予約可能になった。新方式の損得は、よく行く旅行先や、予約変更の頻度で変わる。手持ちのマイルを制度変更前に駆け込みで使うべきかどうかは慎重に見極めたい。

 マイルの使い道として、新たに出てきたのが、格安航空会社(LCC)での利用だ。以前のLCCは、JALやANAの系列であってもマイルプログラムが独立していることが多かったが、最近はANAやJALのマイルを、LCCの航空券などに換えられるポイントへと交換できるサービスが増えた。特に海外旅行では、「燃油サーチャージが不要なLCCを選ぶと、トータルの旅費を安く抑えられる」(航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏)

 この他、特典航空券以外のマイルの使い道も増えている。例えばANAには、マイルをためたり使ったりできる旅行サービス「ANAトラベラーズ」がある。これまでは空港近くのホテルが主な対象だったが、新型コロナ禍以降に、同社は箱根など東京近郊の温泉地などにも「マイルで泊まれるホテル」を拡大。近距離旅行しかできない人の選択肢を増やしている。

ここが変わった!コロナ後のマイル新常識

【新常識1】陸マイラー用新戦力

 フライト、買い物、ポイント交換以外にマイルを獲得できる手段が増えている。移動でたまるアプリ「ANA Pocket」や外貨預金などでたまる金融サービス「JAL NEOBANK」など、2社が新サービスを競っている。

■ANA Pocket(左) ■JAL NEOBANK(右)
■ANA Pocket(左) ■JAL NEOBANK(右)
マイルが当たる「ガチャ」が引ける(左)。外貨預金で毎月最大500マイル(右)
■電力サービス
■電力サービス
電力サービスは、ANAが2021年に「ANAでんき」を、JALは22年に「JALでんき」を開始した。どちらも年間1000マイル以上が獲得でき、マイルがたまる生活系サービスではコスパが良い

【新常識2】一般席の“特典化”(23年4月から)

 JALは23年4月12日搭乗分から国内の特典航空券の制度を刷新。無料の予約変更が不可になる一方、一般席が空いていればマイル追加で予約できる仕組みになる。改定前にマイルを消費した方が有利な行き先もある。

2023年4月12日から、特典航空券の予約変更が不可に/「おともdeマイル割引」廃止/必要マイル数が7区分に細分化、される
2023年4月12日から、特典航空券の予約変更が不可に/「おともdeマイル割引」廃止/必要マイル数が7区分に細分化、される

【新常識3】減額マイル便が増加

 規定より少ないマイルでの特典航空券はJALの「どこかにマイル」が有名。19年にはANAも片道3000マイルから交換できる「今週のトクたびマイル」を始めた。「数カ月先の見通しが立てにくいコロナ禍では有用」(鳥海氏)。

3000マイルから特典航空券にできる!
3000マイルから特典航空券にできる!

【新常識4】LCC連係がより活発に

 格安航空会社(LCC)は、大手2社から独立して運営されることが多かったが、近年は連係を強化。マイルをLCCの航空券用のポイントなどにできる。23年度に就航予定のANA系の新ブランド「AirJapan」も期待大だ。

2020年10月〜Peach Aviation ポイント交換開始。23年度下期〜AirJapan 国際線就航
2020年10月〜Peach Aviation ポイント交換開始。23年度下期〜AirJapan 国際線就航
2022年5月〜ジェットスター・ジャパン フライトバウチャー交換開始。21年4月〜ZIPAIR Tokyo ポイント交換開始
2022年5月〜ジェットスター・ジャパン フライトバウチャー交換開始。21年4月〜ZIPAIR Tokyo ポイント交換開始
注)「ANAのマイル付き外貨定期預金」は、ソニー銀行との提携によるサービス。JALの「JAL NEOBANK」は住信SBIネット銀行との提携によるサービス

「日経トレンディ2022年9月号」の主な内容を紹介
【得するスゴ技決定版】
●PART1 得するクレカ&スマホ決済
最新・高還元クレカ/生活スタイルと目的で選ぶジャンル別最強クレカ10傑
4大スマホ決済&経済圏の基本戦略とお得ワザを総まくり
●PART2 得するマイル
ANA/「TOKYU」ルート閉鎖で、ソラチカカードの価値が急上昇!?
JAL/23年4月に特典航空券が大幅改定。ためたマイルは使い切るべきか
●PART3 得する投資
運用歴20年以上の高パフォーマンス投信ランキング
絶対に外せない株主優待20選/ロボアド成績を徹底比較
●PART4 得する節税
ふるさと納税の2022年最新トレンド&返礼品厳選カタログ
医療費控除、住宅ローン減税……得する節税&納税テクニック
●PART5 得する保険
保険料の払い過ぎや保障漏れを防止。今選ぶべき保険の最適解
特定のトラブルをしっかり補償する個性豊かな一芸保険6選
【お得ワザ52選】
ポイントサイトで大稼ぎ、ウエル活……達人が選ぶポイ活ベスト10
【世界に誇る日本のフードテック最前線】
【ヒットを作る人】ゲームAI研究者・開発者 三宅陽一郎氏 インタビュー
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