
マーケティングに関わるビジネスパーソンなら知っておきたい基本的な統計用語の意味や使い方を解説する本特集。今回のテーマは「相関分析・相関係数」。2つのデータ(変数)の間に何か関係があるのか、またその関係性はどれくらい強いかを数値で表せるので実務の現場でも頻繁に使われる。この便利な分析手法と指標を法政大学経営学部の西川英彦教授による“超初心者レベル”の講義で学ぶ。
2つのデータの関係を数値化して強中弱で示す
――今回のテーマは「相関分析」と「相関係数」です。「相関」自体は高校の数学でも習いましたから、なじみのあるキーワードです。詳しい内容は、もう忘れてしまいましたが……。
西川 相関分析は「来店客数」「販売個数」「売上金額」「気温」など複数のデータがあったとき、それらのうちの2つを「変数」として選び、その2つの変数の増減が互いに関係している「相関関係」にあるのか、分析するときに使う統計手法です。
――2つの変数の間に相関関係があれば、そこから予測や検証ができるので、マーケティング戦略の立案などに役立ちそうですね。
西川 ということもあり、実際、相関分析はマーケターやマーケティングの研究者が最もよく使う分析手法の1つとなっています。
――2つの変数の間に相関関係があるかどうか、どうやって調べるのですか。
西川 結論から言えば、相関分析では2つの変数間にある相関関係を「相関係数」で表します。
――「係数」ということは数値ですか?
西川 そうです。相関係数は「1」から「-1」の値を取ります。相関係数が「0」だと相関関係はない。相関係数が「1」あるいは「-1」に近ければ近いほど、2つの変数の相関関係は“強い”ことになります。
――相関関係がはっきり数値で示せて、こんなふうに「強」「中」「弱」「ほとんど相関なし」に分類できると分かりやすいですね。しかし、関係性の数値化は、一体どうやって計算するのでしょうか。それに「1に近いと相関関係が強い」とか「0だと相関関係がない」というのは分かりますが、「-1」に近くても「相関関係は強い」となるのはなぜでしょうか。
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