多くのファンに愛されるECサイト「北欧、暮らしの道具店」。運営するクラシコムは、ミッション・ビジョン・バリューによって経営やマーケティングを貫いている。クラシコムの愛されるブランドづくりの極意を明らかにする連載の第3回は、昨今バズワードとなっている「パーパス」について。実は同社はパーパスを設定していない。なぜ設定しないのか、前回に続けて代表の青木耕平氏に聞いた。
「北欧、暮らしの道具店」を展開するクラシコムが掲げるミッションは、「フィットする暮らし、つくろう。」。そしてビジョンは、「自由」「平和」「希望」。バリューは、「センシティブ」「チャーミング」「オルタナティブ」だ。
ミッション・ビジョン・バリューの詳細と、それをどのようにして生みだしたのかは連載の前回と前々回で聞いた。同社の強さの源泉は、このミッション・ビジョン・バリューが社内に浸透し、意思決定の基準になっていることと言ってもいいだろう。
▼関連記事 第1回:「北欧、暮らしの道具店」はなぜ強い 鍵は柔らかい“ミッション” 第2回:ダサい「バリュー」は浸透しない クラシコム青木氏が語るMVV経営では、昨今話題になり、経営の指針としての注目度が高まっている「パーパス」について、クラシコム代表の青木耕平氏はどう考えているのだろうか。パーパスに関しては、様々な定義や考え方があり、ミッション・ビジョン・バリューとは異なる概念であるという視点や、ミッションに近いものといった見方もある。消費者や社会とのつながりを意識する同社にとって、パーパスという概念も重要そうではあるが、どうなのか。
青木氏が考えるミッションとパーパスの関係性
意外なことに、現在のところクラシコムはパーパスを掲げていない。「ミッション・ビジョン・バリューは、どちらかというと主観的な考え方だと思う。『私はこうしたい』『こういう世界にしたい』ということで、顧客や株主、従業員といったステークホルダーと自分という世界で成立しうるもの。お客様にこういうことを届けますみたいな話でいけちゃう部分もあると思う」と青木氏。
では、青木氏はパーパスをどう捉えているのか。
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