
素材や構造を見直し、軽さを追求したランドセルが話題となっている。2021年4月、RANAOS(ラナオス、東京・目黒)が立ち上げたD2Cブランド「NuLAND(ニューランド)」と、ランドセルメーカー大手セイバン(兵庫県たつの市)の「スゴ軽」の開発プロセスを追った。

ランドセルといえば、本革や人工皮革。その常識にとらわれずに自由な発想でランドセルの概念を広げ、注目を集めているのが「ニューランド」だ。環境にも子供の体にも優しいランドセルを目指し、伊藤忠商事が展開するリサイクルポリエステル素材「RENU(レニュー)」を使用している。超軽量なのに大容量であることが特徴で、一般的なランドセルの重さは1100~1300グラムといわれるが、ニューランドは約985グラム。サイズはMとLの2種類で、色はMがブラック、レッド、キャメル、ピンク、ネイビーの5色、Lがブラックとレッドの2色展開。ラナオス代表の岡本直子氏は「特にブラックとピンクの売れ行きが好調。2022年モデルのMサイズのピンクは、8月上旬で完売した」と言う。
機能性にも優れている。できるだけランドセルだけで通学できるようにマチに拡張機能を付け、勉強道具と一緒に、水筒や縦笛、タブレット端末、体操着や上履きなども入れられる。かぶせと呼ばれるフラップを取り外すとさらに軽くなり(約748グラム)、リュックサックとしても使用可能。「課外活動やクラブ活動、家族との旅行などで使っているお客様も少なくない。素材だけでなく、用途もサステナブルを目指している。子供たちも自分のランドセルを通じて、リサイクルや循環型社会を知る機会になれば」(岡本氏)
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