
2022年6月に誕生した「HATENALABO(ハテナラボ)」は、アッシュコンセプト(東京・台東)の新ブランド。「Chimi(チミ)」「Baiin!! man(バイイン!! マン)」「Baiin!! cat(バイイン!! キャット)」などの“実験装置”を通して、「モノとヒトとが関わる瞬間に生まれる心の変化」を研究する。
「ハテナラボ」は、「モノとヒトとが関わる瞬間に生まれる心の変化」を研究する目的で、アッシュコンセプトが立ち上げた。22年7月現在、「Chimi(チミ)」「Baiin!! man(バイイン!! マン)」「Baiin!! cat(バイイン!! キャット)」の3点の“実験装置”がある。
ハテナラボには現在14人の研究員が所属していて、その中の1人である武田千愛氏がアッシュコンセプトに企画を持ち込んだことから始まった。
「20年の5月ごろは、新型コロナウイルス禍による外出自粛などが原因で、退屈そうな人が増えていた。その一方でコロナ禍を軽やかに乗り越えているように見える人もいて、『彼らの違いって何だろう?』と考えるようになった。そこで分かったのが、前者の多くの人たちには、『合理的な目的のために日々の楽しみを手段化する』という傾向があるということだ。例えば『仕事をバリバリこなす』という目的達成のために、ジムの運動や休暇に楽しみを見いだしていた人たちは、コロナの影響でさまざまな『目的』を奪われ、戸惑い、退屈する傾向があった」(武田氏)
その一方で、後者の多くの人たちは「明確な目的を持たずに、一見無駄に見えることを楽しめる」傾向があったという。「直接何かの『ため』になるわけではないが、なんとなく楽しい気持ちになれるようなモノやコトを、今こそ研究すべきだと思うようになった」(武田氏)。そこで思い出したのが、アッシュコンセプトの不思議なものづくりだった。
武田氏は、「アッシュコンセプトの商品には“道草”のような魅力がある」と言う。目的地に向かう途中で特に目的もなく心を奪われ、思わず足を止めてしまうような魅力だ。この魅力を形づくるさまざまな要素を解明してみたかった。
「私は以前から『世の中の役に立たなくてもいいから、恋人のような存在となるモノを作りたい』と言い続けてきたが、その感情を突き詰めて考えたことはなかった。ハテナラボの実験を通して、モノとヒト、そして心の動きの関係性を追究したいと考えた」(アッシュコンセプトの名児耶秀美代表取締役)
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー